高リスクPCIにおける軸流ポンプ、アウトカムを改善せず/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/17

 

 複雑な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける重度の左室機能障害を有する患者において、微小軸流ポンプを用いた左室負荷軽減は、少なくとも12ヵ月時点で主要有害臨床アウトカムのリスクを減少させなかった。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのDivaka Perera氏らCHIP-BCIS3 Investigatorsが、同国の21施設で実施した前向き無作為化非盲検試験「Controlled Trial of High-Risk Coronary Intervention with Percutaneous Left Ventricular Unloading:CHIP-BCIS3試験」の結果を報告した。重度の左室機能障害を有する患者に対する複雑PCIは死亡や合併症のリスクが高いが、経皮的左室負荷軽減術が予後を改善するかどうかは明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2026年3月29日号掲載の報告。

複雑PCIを受ける患者を微小軸流ポンプ群と標準治療群に無作為化

 CHIP-BCIS3試験の対象は、左室駆出率35%以下(重度の僧帽弁逆流がある場合は45%以下)、British Cardiovascular Intervention Society Jeopardy Score(BCIS-JS)が8以上(範囲:0~12、高スコアほど冠動脈疾患が広範囲であることを示す)の、複雑PCIを受ける予定の患者であった。

 複雑PCIは、閉塞した右冠動脈優位型、左冠動脈優位型または分岐部病変が存在する場合の非保護左主冠動脈への介入、多枝病変または左主冠動脈等における石灰化病変の治療、または逆行性アプローチが計画されている慢性完全閉塞を伴う標的血管のいずれか1つ以上を満たすものと定義した。

 研究グループは、適格患者を微小軸流ポンプによる左室負荷軽減群と標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要アウトカムは、全死因死亡、後遺障害を伴う脳卒中、自然発症心筋梗塞、心血管疾患による入院、または周術期心筋障害の階層的な複合評価とし、最低12ヵ月間の追跡期間におけるwin ratioに基づき解析した。

両群で主要有害臨床アウトカムの発生に有意差なし

 2021年8月~2024年12月に300例が登録され、148例が微小軸流ポンプ群、152例が標準治療群に割り付けられた。微小軸流ポンプ群では、全例にImpella CPが用いられた。

 追跡期間中央値22ヵ月(四分位範囲:16~30)時点で、主要アウトカムのペアワイズ比較では微小軸流ポンプ群優位が36.6%、標準治療群優位が43.0%であり、win ratioは0.85(95%信頼区間[CI]:0.63~1.15)、群間差は-6.4%ポイントで有意差はなかった(p=0.30)。

 全死因死亡は、微小軸流ポンプ群で32.6%(47/148例)、標準治療群で23.4%(33/152例)に認められた(ハザード比:1.54、95%CI:0.99~2.41)。出血または血管合併症のリスクに両群で差はなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)