非糖尿病PADへのメトホルミン、歩行能力を改善せず/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/16

 

 非糖尿病の末梢動脈疾患(非糖尿病PAD)患者において、メトホルミンの投与はプラセボと比較して、追跡6ヵ月時点の6分間歩行距離に関する評価において改善は認められなかったことが、米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らが行った無作為化二重盲検試験「PERMET試験」の結果で示された。PAD患者の歩行能力を改善する効果が示されている治療法はほとんどない。メトホルミンは、入手がしやすく安価な2型糖尿病の治療薬だが、AMP活性化プロテインキナーゼの活性化、酸化ストレスの軽減、血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性化など多面的な作用を有することで知られている。著者は、「今回示された結果は、メトホルミンはPAD患者の歩行能力を改善しないことを裏付けるものであった」とまとめている。JAMA誌2026年2月3日号掲載の報告。

6分間歩行距離の6ヵ月間の変化量を対プラセボで評価

 PERMET試験は、米国4施設で被験者を募り実施され、2017年5月23日に登録を開始し、2025年2月17日に終了した。最終追跡調査は2025年8月19日。

 被験者は、50歳以上のPAD患者(包含基準:ABIが両足とも0.90以下など。除外基準:GFR≦45のCKD、糖尿病など)であった。

 資金の制限により、登録された被験者は202例(目標212例の95%)であった。

 被験者は、メトホルミン群(1錠[500mg]を1日2回で開始、2週間後から2錠を1日2回、97例)またはプラセボ群(105例)に無作為化され、6ヵ月間治療を受けた。副作用が発現した場合は、症状が許容範囲になるまたは消失するまで服用量が減らされた。被験者は、服用量を日誌に記録するよう指導され、3ヵ月後の受診時に服薬アドヒアランスの評価(服薬日誌と薬瓶の回収)が行われた。また、評価後に残り3ヵ月分の錠剤が渡された。

 主要アウトカムは6分間歩行距離の6ヵ月間の変化量(臨床的に重要な最小変化量:8~20m)。副次アウトカムは、トレッドミルでの最大歩行時間、トレッドミルでの無痛歩行時間、歩行障害質問票(Walking Impairment Questionnaire)の距離および速度のスコア、SF36身体機能スコア、および上腕動脈FMDなどであった。各評価項目の結果は、試験施設とベースライン値で補正された。

6ヵ月間の変化量はメトホルミン群-5.4m、プラセボ群-5.3m

 無作為化された202例(平均年齢69.6[SD 8.4]歳、女性56例[28%]、黒人79例[39%])のうち、179例(89%)が6ヵ月の追跡調査を完了した。

 メトホルミン投与群において、プラセボ群と比較して6分間歩行距離に関する有意な改善は認められなかった。メトホルミン投与群の6分間歩行距離は358.6mから353.2mへの変化で(群内変化量:-5.4m)、プラセボ群は同359.8mから354.5m(-5.3m)であった(補正後群間差:1.1m、95%信頼区間:-16.3~18.6、p=0.90)。

 副次アウトカムについてもいずれも、プラセボと比較してメトホルミン群で有意な改善は示されなかった。

 最も多くみられた重篤な有害事象は、心血管イベントであった(メトホルミン群3.1%、プラセボ群1.9%)。最も多くみられた非重篤な有害事象は、消化不良/胃もたれ(メトホルミン群64.9%、プラセボ群40.6%)および頭痛(メトホルミン群37.2%、プラセボ群49.5%)であった。

(ケアネット)

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コメンテーター : 小川 大輔( おがわ だいすけ ) 氏

おかやま内科 糖尿病・健康長寿クリニック 院長

J-CLEAR会員

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