変形性膝関節症、膝装具の追加で患者報告アウトカムが改善/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/11

 

 変形性膝関節症の患者では、助言・書面情報・運動指導による介入と比較して、これに膝装具の装着とアドヒアランス介入を追加すると、6ヵ月時の患者報告アウトカムがわずかながら有意に改善するが、12ヵ月後には有意差は消失し、有害事象の多くは軽微で予期されたものであることが、英国・Keele UniversityのMelanie A. Holden氏らが実施した「PROP OA試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月26日号に掲載された。

イングランドの無作為化対照比較優越性試験

 PROP OA試験は、イングランドの4つの地域で実施した無作為化対照比較優越性試験(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価プログラムなどの助成を受けた)。

 2019年11月~2022年9月に参加者を募集した。年齢45歳以上の症状を伴う変形性膝関節症の患者466例(平均年齢64[SD 9]歳、女性213例[46%])を対象とした。

 これらの患者を、助言・書面情報・運動指導(AIE)による介入を受ける群(AIE群:229例)、またはAIEにコンパートメント側特異的膝装具とアドヒアランス介入を追加する群(AIE+B群:237例)に無作為に割り付けた。

 介入は、標準化された訓練を受けた18人の理学療法士(経験年数中央値10年[範囲:1~36])が行った。AIEは1回の対面相談で実施した。AIE+B群の患者は、変形性膝関節症の主要部位の位置に応じて、膝蓋大腿関節用、脛骨大腿関節の負荷軽減用、中立位安定化用のいずれかの膝装具を装着し、2週間のフォローアップ相談が提供された。装具装着のアドヒアランスを支援するために、的を絞ったテキストリマインダーを用いた簡略な動機付け面接を行った。

 主要アウトカムは、無作為化から6ヵ月の時点におけるKnee Osteoarthritis Outcomes Score(KOOS)-5(0~100点、痛み、他の症状、日常生活動作、スポーツ・レクリエーション活動、膝関連QOL)で評価した複合的な患者報告アウトカムとした。

6ヵ月時の痛みおよび日常生活動作の改善が良好

 追跡期間中は、3ヵ月後に401例(86%)、6ヵ月後に394例(85%)、12ヵ月後に370例(79%)から解析可能なデータを得た。

 6ヵ月の時点で、AIE群に比べAIE+B群でKOOS-5の改善効果が大きかった(補正後平均群間差:3.39、95%信頼区間[CI]:0.96~5.82、効果量:0.24)。3ヵ月時も、同様の結果であった(3.67、1.47~5.87、0.26)。一方、12ヵ月時は、AIE+B群で改善効果が大きかったものの、その程度は減衰しており、有意差は消失していた(2.67、-0.24~5.57、0.19)。

 また、KOOS-5のサブスケールでは、AIE+B群で6ヵ月時の痛み(補正後平均群間差:6.13、95%CI:3.36~8.91、効果量:0.39)および日常生活動作(5.24、2.47~8.02、0.28)の改善効果が優れた。この効果は、12ヵ月時にも維持されていた(痛み[4.76、1.48~8.04、0.30]、日常生活動作[3.60、0.30~6.89、0.19])。

ほとんどの有害事象は予期されたもの

 両群とも、予期せぬ重篤な有害反応は認めなかった。ほとんどの有害事象は予期されたものであり、全体の発生件数は両群間に大きな差はなかった(6ヵ月時の自己報告による有害事象件数:AIE+B群87件、AIE群113件)。

 AIE+B群で最も頻度の高かった予期された有害事象は皮膚刺激および発赤で、最大で20%の患者に発現した。これに対し、水疱および皮膚損傷の発生率は最大で4%と低かった。

 著者は、「この安全で受容性の高い介入は、変形性膝関節症の有効な治療法となる可能性がある」「効果量から判断すると、膝装具装着の有益性は3ヵ月および6ヵ月の時点で小さく、12ヵ月の時点では非常に小さかった」「事前に定義したKOOS-5の臨床的に意義のある最小差(MCD)である8点は、達成されなかった」としている。

(医学ライター 菅野 守)