妊娠糖尿病予防、とくに有効な介入手段は?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/19

 

 英国・リバプール大学のJohn Allotey氏らi-WIP Collaborative Groupは、被験者個人データ(IPD)に基づくメタ解析を行い、妊娠中のライフスタイル介入は、診断基準によるばらつきはあったが妊娠糖尿病を予防しうることを示した。妊娠中の身体活動と食事に基づく介入は、妊娠中の体重増加の抑制に効果的であることは示されているが、妊娠糖尿病への影響や、どのような介入が最も効果的かについてはエビデンスにばらつきがあった。BMJ誌2026年1月7日号掲載の報告。

ライフスタイル介入の妊娠糖尿病への影響を2段階IPDメタ解析で検証

 研究グループは、ライフスタイル介入の妊娠糖尿病への影響を評価するため、母体のBMI、年齢、出産回数、民族性、教育レベル、介入によって異なるかどうかを検討し、有効性に基づき介入を順位付けした。

 主要な電子データベース(1990年1月~2025年4月)を利用し、妊娠中のライフスタイル介入(身体活動ベース、食事ベース、あるいは両者による)の妊娠糖尿病への影響に関する無作為化試験を対象にメタ解析を行った。

 主要アウトカムは、あらゆる基準および英国国立医療技術評価機構(NICE)の基準で定義した妊娠糖尿病。その他のアウトカムは、国際糖尿病・妊娠学会(IADPSG)および修正IADPSG基準で定義した妊娠糖尿病などとした。

 2段階IPDメタ解析で、要約オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)、相互作用(サブグループの影響)を、絶対リスク減少値と共に推算した。非IPD試験からの集計データは、可能な限りにおいてメタ解析に加えた。介入効果は、ネットワークメタ解析法を用いて順位付けした。

あらゆる診断基準で定義した妊娠糖尿病が減少

 無作為化試験104報(女性被験者3万5,993例)が解析対象に含まれた。IPDは68%の被験者(2万4,391例、54試験)について得られた。

 ライフスタイル介入により、あらゆる診断基準で定義した妊娠糖尿病が減少した。IPD試験を含んだ解析では10%(OR:0.90[95%CI:0.80~1.02]、絶対リスク減少値:1.3%[95%CI:-0.3~2.6])、IPDおよび非IPD試験の統合解析では20%(OR:0.80[95%CI:0.73~0.88]、絶対リスク減少値:2.6%[95%CI:1.6~3.6])の減少が示された。一方、NICE基準を用いた場合は、減少がみられなかった(OR:0.98[95%CI:0.84~1.13])。

 ライフスタイル介入により、IADPSG基準で定義した妊娠糖尿病についても減少が認められた。IPD試験を含んだ解析では14%(OR:0.86[95%CI:0.75~0.97]、絶対リスク減少値:2.7%[95%CI:0.6~5.0])、IPDおよび非IPD試験の統合解析では18%(OR:0.82[95%CI:0.72~0.93]、絶対リスク減少値:3.5%[95%CI:1.3~5.7])の減少が示された。

母親の教育レベルを鑑み、集団形式で訓練された担当者による身体活動ベースの介入を

 効果は、教育レベルを除き、母体特性によるばらつきはなかった。

 すべての教育レベルの女性が介入によりベネフィットを得ていたが、その有益性は低教育レベルの女性では低かった(低vs.中の相互作用のOR:0.68[95%CI:0.51~0.90]、低vs.高の相互作用のOR:0.71[95%CI:0.54~0.93])。

 有益性は、介入特性でばらつきはみられなかったが、集団形式(OR:0.81[95%CI:0.68~0.97]、絶対リスク減少値:2.5%[95%CI:0.4~4.3])、新たに訓練を受けたファシリテーター(OR:0.82[95%CI:0.69~0.96]、絶対リスク減少値:2.4%[95%CI:0.5~4.2])による場合の効果が大きかった。

 妊娠糖尿病の予防に関する介入を順位付けした結果、身体活動ベースの介入が最も上位であった(平均ランク:1.1、95%CI:1~2)。

 これらの結果を踏まえて著者は、「実施戦略では、母親の教育レベルによる不均衡に対処する必要があり、妊娠糖尿病予防の介入は集団形式とし、介入担当者のトレーニングを行うこと、介入は身体活動ベースを検討することが必要である」とまとめている。

(ケアネット)