宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/08

 

 米国・ハーバード大学医学大学院のStephen P. Juraschek氏らは、「高血圧予防のための食事療法(DASH)」の効果を再現する食料品購入戦略を評価した臨床試験「GoFresh試験」において、宅配によるDASH食に準じた食料品の提供と栄養士カウンセリングを組み合わせたプログラムは、同等の給付金の供与と比較して、黒人住民の血圧およびLDLコレステロール(LDL-C)値を改善したが、介入終了後これらの効果は維持されないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年11月9日号で発表された。

ボストン市の黒人を対象とした無作為化比較試験

 GoFresh試験は、米国マサチューセッツ州ボストンで実施された研究者主導型の無作為化並行群間比較試験であり、2022年8月~2025年3月に参加者を募集した(米国心臓協会[AHA]の高血圧予防に関する健康公平性研究ネットワークの助成を受けた)。

 年齢18歳以上、アフリカ系米国人または黒人と自認し、収縮期血圧(SBP)が120~<150mmHg、拡張期血圧(DBP)が<100mmHgで、ボストン市の都市部の食料品店が少ない地域に居住し、高血圧治療を受けていない集団を対象とした。

 これらの参加者を、費用を重視せずに、オンラインで注文したDASH食に準じた低塩食料品を週1回、12週間宅配で受け取り、栄養士によるカウンセリングを受ける群(DASH群)、または4週ごとに500ドルの給付金を3回受け取り、自分の判断で食料品を購入する群(自己管理群)に無作為に割り付けた。

 主要アウトカムは、3ヵ月後の時点における平均診察室SBP(少なくとも2回の受診時における3回の測定に基づく)の変化量の両群間の差とした。

主要アウトカムのSBPほかDBP、LDL-C、尿中ナトリウムも改善

 180例(平均年齢46.1[SD 13.3]歳、女性102例[56.7%]、自己申告による黒人100%)を登録し、DASH群に90例、自己管理群に90例を割り付けた。ベースラインの平均SBPは130.0(SD 6.7)mmHg、平均DBPは79.8(同:8.1)mmHgだった。3ヵ月後の主解析では、175例(97.2%、DASH群86例、自己管理群89例)が対象となった。

 3ヵ月時の平均SBPの変化量は、自己管理群が-2.3mmHg(95%信頼区間[CI]:-4.1~-0.4)であったのに対し、DASH群は-5.7mmHg(-7.4~-3.9)であり、群間差は-3.4mmHg(-5.9~-0.8)とDASH群で降圧効果が有意に優れた(p=0.009)。

 副次アウトカムのうち、平均DBP(3ヵ月時の変化量の群間差:-2.4mmHg、95%CI:-4.2~-0.5)およびLDL-C値(-8.0mg/dL、-13.7~-2.3)は、DASH群で改善効果が良好であったが、BMI値(-0.04、-0.37~0.28)およびHbA1c(-0.01%、-0.07~0.05)に対するDASH食の効果は認めなかった。また、尿中ナトリウム値は、DASH群で低下の幅が大きかった(3ヵ月時の変化量の群間差:-545mg/24時間[95%CI:-1,041~-50])。

介入終了6ヵ月後には効果が消失

 一方、3ヵ月時(介入期間終了)から6ヵ月時までの3ヵ月間で、平均SBP(6ヵ月時の変化量の群間差:3.5mmHg、95%CI:0.9~6.0)および平均DBP(2.4mmHg、0.7~4.1)は、いずれもDASH群で大きく上昇し、DASH食の効果はほぼ消失していた。この間のLDL-C値(3.3mg/dL、-1.9~8.5)も、DASH群で増加の幅が大きかった。

 有害事象はまれだった。胃腸障害が1件発現したが介入とは関連がなく、慢性腎臓病患者における高カリウム血症の発生は認められなかった。3ヵ月時にDASH群で腹部膨満感と頻尿が増加したが、水分摂取量の変化は少なく、全体的な体調の改善を報告した参加者が多かった。

 著者は、「これらの知見は、心血管代謝の健康を改善するための食料品の注文戦略の立案に有益と考えられる」「DASH食の降圧効果およびLDL-C低下効果を長期的に維持するには、健康的な食料品への継続的なアクセスと栄養カウンセリングが必要であろう」としている。

(医学ライター 菅野 守)