気温が低いと血圧が上昇することは知られているが、室温の影響についてはまだ十分な研究がなされていない。今回、静岡社会健康医学大学院大学の田原 康玄氏らがしずおか研究(静岡多目的コホート研究事業)において、家庭での室温と朝・夕・睡眠時の血圧を調べ、その関連を報告した。Journal of Hypertension誌オンライン版2025年9月19日号に掲載。
本研究は地域住民を対象とした縦断研究で、成人779人(平均年齢70.7歳)が対象。家庭血圧はカフ式オシロメトリック法の血圧計を用いて1週間測定し、睡眠時血圧はタイマー付き血圧モニターを用いて0時、2時、4時に自動的に記録した。室温は血圧モニターの温度計で測定した。
主な結果は以下のとおり。
・室温が1℃下がると、朝の収縮期および拡張期血圧は0.863mmHgおよび0.342mmHg上昇し(p<0.001)、夕方の収縮期および拡張期血圧は0.721mmHgおよび0.320mmHg上昇した(p<0.001)。一方、睡眠時の収縮期血圧(0.076mmHg、p=0.181)と拡張期血圧(0.078mmHg、p=0.039)に対する影響は小さかった。
・低い室温と朝の収縮期血圧および拡張期血圧の関連は、外気温で調整しても有意であった(0.809mmHgおよび0.304mmHg、p<0.001)。
・室温による血圧変化に関連した因子は年齢のみであった。
・朝の平均血圧が正常である433人のうち93人が最も寒い日に高血圧となった。これらの参加者は朝の平均血圧が正常範囲内の高い値で、降圧薬を使用している可能性が高かった。
これらの結果から、室温は朝・夕の血圧に影響するが、睡眠時血圧には影響しないことが示唆された。
(ケアネット 金沢 浩子)