ドイツ・LMU University HospitalのFlorian E. M. Herrmann氏らは、同病院およびイエナ大学病院の心臓外科センターで研究者主導の前向き観察研究を実施し、植込み型心臓モニター(ICM)による1年間のモニタリングの結果、冠動脈バイパス術(CABG)後1年以内の新規心房細動(AF)の累積発生率は既報より高かったものの、術後30日以降はAF負担がきわめて低いことを明らかにした。CABG後のAF新規発生率や負担は不明であるが、米国のガイドラインでは非無作為化臨床試験に基づきCABG後新たにAFを発症した患者に対し60日間の経口抗凝固療法がクラス2a(中程度の強さ)で推奨されている。著者は「術後30日以降のきわめて低いAF負担は、現行ガイドラインの推奨に疑問を呈するものである」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年10月9日号掲載の報告。
AF既往歴のない初回単独CABG施行患者198例を登録
研究グループは、初回単独CABGで、3枝冠動脈疾患または左主幹病変に対し2本以上のバイパスグラフトを施行する、AFならびにその他の不整脈の既往がない術前左室駆出率が35%以上の成人(18歳超)を対象に、術中(皮膚閉鎖後)にICMを埋設し、持続モニタリングを開始した。
主要アウトカムは、持続モニタリングで検出されたCABG後1年以内の新規AF累積発生率。副次アウトカムは、1年間におけるAF累積持続時間、AF負担(AF累積持続時間/総モニタリング時間)、臨床アウトカムなどであった。
2019年11月~2023年11月に1,217例がスクリーニングされ、適格患者198例(男性173例[87.4%]、女性25例[12.6%]、平均年齢66歳[SD 9])が登録された。
術後1ヵ月以降はAF負担中央値0、累積持続時間0分
198例中1例はモニタリング開始前に死亡し、197例(99.5%)で遠隔データ収集が開始され、192例(97.0%)が1年間の持続モニタリングを完了した。
198例中95例がCABG後1年以内に新規AFを発症し、累積発生率は48%(95%信頼区間:41~55)であった。
一方、副次アウトカムである1年間のAF負担中央値は0.07%(四分位範囲:0.02~0.23)、AF累積持続時間は370分であった。AF負担中央値は、術後1~7日目で3.65%(0.95~9.09)、8~30日目0.04%(0~1.21)、31~365日目0%(0~0.0003)であり、AF累積持続時間はそれぞれ368分、13分、0分であった。
退院後、3例で24時間を超えるAF発作が認められた。
(ケアネット)