非びらん性胃食道逆流症、食道腺がんのリスク因子ではない/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/28

 

 非びらん性胃食道逆流症(NERD)患者の食道腺がん発症率は、一般集団と同程度であることを、スウェーデン・カロリンスカ研究所およびカロリンスカ大学病院のDag Holmberg氏らが地域住民を対象としたコホート研究の結果として報告した。胃食道逆流症(GERD) は食道腺がんの主要リスク因子であるが、NERD、すなわち典型的な症状を有するが上部内視鏡検査は正常の場合、食道腺がんのリスクが高いかどうかは不明であった。著者は、「今回の結果は、内視鏡的に確認されたNERD患者は食道腺がんを発症しにくく、内視鏡検査によるモニタリングは必要ないことを示唆している」とまとめている。BMJ誌2023年9月13日号掲載の報告。

北欧3ヵ国のGERD患者約49万人を解析、最長31年間追跡

 研究グループは、デンマーク(1995~2019年)、フィンランド(1987~2018年)およびスウェーデン(2006~2019年)において、病院および専門外来を受診しGERDと診断された患者で、少なくとも1回内視鏡検査を受けたすべての成人(18歳以上)48万6,556人について解析した。

 GERD症状に基づいてGERDと診断され、初回内視鏡検査で正常所見であった患者をNERDコホート(28万5,811人)、内視鏡検査で食道炎が認められた患者をびらん性GERD検証コホート(20万745人)とした。

 主要アウトカムは食道腺がんの罹患率で、最長31年間の追跡で評価した。標準化罹患比およびその95%信頼区間(CI)は、各GERDコホートにおいて観察された食道腺がんの症例数を、デンマーク、フィンランドおよびスウェーデンの対応する年齢、性別および暦年の一般集団から得られた期待数で除することにより算出した。

食道腺がんの標準化罹患比は、NERDで1.04、びらん性GERDで2.36

 NERDコホートでは、208万1,051人年の追跡期間において、28万5,811人中228人が食道腺がんを発症し、食道腺がんの全罹患率は11.0/10万人年であった。

 食道腺がんの標準化罹患比は1.04(95%CI:0.91~1.18)で罹患率は一般集団と同程度であり、最長31年の追跡期間中も増加傾向を示さなかった(追跡期間15~31年における標準化罹患比:1.07[95%CI:0.65~1.65])。

 検証のため、びらん性GERDコホートについて解析した結果、175万249人年の追跡期間において、20万745人中542人が食道腺がんを発症し、食道腺がんの全罹患率は31.0/10万人年で、食道腺がんの標準化罹患比は2.36(95%CI:2.17~2.57)と高く、追跡期間が長くなるほど上昇した(追跡期間15~31年における標準化罹患比:2.73[95%CI:2.15~3.42])。

(ケアネット)