進行転移胆道がんの1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS改善(KEYNOTE-966)/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2023/04/27

 

 未治療、切除不能な局所進行または転移のある胆道がんの1次治療として、ゲムシタビン+シスプラチンの標準化学療法と比較して、ペムブロリズマブを加えた併用療法は全生存期間(OS)を統計的に有意に改善したことが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のRobin Kate Kelley氏らによる第III相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験「KEYNOTE-966試験」の結果で、著者は「標準化学療法+ペムブロリズマブの併用療法は、進行転移胆道がん患者の1次治療として新たな選択肢となる可能性がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2023年4月16日号掲載の報告。

ECOGパフォーマンスステータス0~1の18歳以上を対象に試験

 KEYNOTE-966試験は、世界175ヵ所の医療センターで、未治療の切除不能な局所進行または転移のある胆道がんで、RECIST第1.1版に基づく測定が可能で、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のパフォーマンスステータスが0または1の18歳以上の患者を対象に行われた。

 研究グループは被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはペムブロリズマブ200mg(3週ごとに静脈内投与、最大35サイクル)、もう一方にはプラセボを、標準化学療法のゲムシタビン(1,000mg/m2、3週ごとに1・8日目に静脈内投与)+シスプラチン(25mg/m2、3週ごと1・8日目に静脈内投与、最大8サイクル)と併用投与した。

 無作為化は中央双方向音声応答システムを使い、試験地域、病期、原発部位により層別化した。

 主要評価項目はOSで、ITT集団で評価した。副次評価項目は安全性で、治療を受けた集団で評価した。

治療関連有害事象発生率、両群で同程度

 2019年10月4日~2021年6月8日に1,564例がスクリーニングを受け、適格とされた1,069例が無作為化を受けた(ペムブロリズマブ併用群533例、プラセボ群536例)。最終解析時の追跡期間中央値は、25.6ヵ月(四分位範囲[IQR]:21.7~30.4)だった。

 OS中央値は、ペムブロリズマブ併用群12.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.5~13.6)、プラセボ群10.9ヵ月(9.9~11.6)だった(ハザード比[HR]:0.83、95%CI:0.72~0.95、片側検定のp=0.0034、有意性閾値のp=0.0200)。

 治療集団におけるgrade3/4の有害事象発生は、ペムブロリズマブ併用群420/529例(79%)、プラセボ群400/534例(75%)だった。治療関連有害事象発生は、それぞれ369例(70%)、367例(69%)で、うちgrade3/4事例はそれぞれ31例(6%)、49例(9%)だった。また、治療関連有害事象による死亡は、それぞれ8例(2%)、3例(1%)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)