降圧薬だけの4種配合剤、単剤より有益か/Lancet

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/09/20

 

 降圧薬4種を4分の1用量ずつ1剤に配合した「quadpill」による降圧療法を早期に開始する戦略は、一般的な標準用量の単剤降圧療法による治療戦略と比べて、より大きな降圧の達成・維持をもたらすことが示された。オーストラリア・シドニー大学のClara K. Chow氏らが行った第III相多施設共同の二重盲検並行群無作為化試験「QUARTET試験」の結果で、著者は「本試験は、quadpillベースの治療戦略の有効性、忍容性および簡便性を実証するものとなった」と述べている。Lancet誌オンライン版2021年8月29日号掲載の報告。

quadpill(4剤配合)開始vs.単剤開始の降圧効果を評価

 QUARTET試験は、超低用量の4剤を配合した単一錠剤による高血圧治療の開始戦略が、単剤療法から始める戦略よりも有効であるとする仮説検証を目的とし、未治療または単剤治療を受けている高血圧症を有するオーストラリア成人(18歳以上)を対象に行われた。

 被験者は、quadpill(イルベサルタン37.5mg、アムロジピン1.25mg、インダパミド0.625mg、ビソプロロール2.5mgを配合)開始群、または判別不明の錠剤を用いた単剤療法(イルベサルタン150mg)開始群のいずれかに無作為に割り付けられた。目標血圧値に達しない場合は両群とも、アムロジピン5mgで始める追加投与が許容された。

 被験者の割り付けはオンライン中央無作為化サービスを使用して行われ、サイトごとに1対1の割合で層別化。割り付けは、治験薬の製造者と1人のマスクされていない統計者を除き、全被験者および試験チームメンバー(研究者、アウトカム評価者を含む)にマスクされた。

 主要アウトカムは、12週時点での無人診察室収縮期血圧の差とした。副次アウトカムは、血圧コントロール(標準診察室血圧値<140/90mmHg)、安全性、忍容性などであった。また、無作為に12ヵ月継続群に割り付けたサブグループについて長期有効性を評価した。解析は、intention to treatにて行われた。

12週時の収縮期血圧の差は6.9mmHg、quadpill群で有意に低下

 2017年6月8日~2020年8月31日に743例が適格性について評価を受け、不適格または辞退した152例を除く591例を対象とした。300例がquadpill開始治療(介入)群に、291例が標準用量単剤療法の治療(対照)群に無作為に割り付けられた。

 被験者591例の平均年齢は59歳(SD 12)。356例(60%)が男性、235例(40%)が女性で、483例(82%)が白人、70例(12%)がアジア人、38例(6%)がその他の人種・民族と報告された。ベースラインの平均無人診察室血圧は141(SD 13)/85(SD 10)mmHgであった。

 12週までに降圧薬の追加投与を受けたのは、介入群300例中44例(15%)、対照群291例中115例(40%)であった。収縮期血圧の群間差は6.9mmHg(95%信頼区間[CI]:4.9~8.9、p<0.0001)であり介入群で有意に低く、血圧コントロール率は介入群(76%)が対照群(58%)よりも有意に高かった(相対リスク[RR]:1.30、95%CI:1.15~1.47、p<0.0001)。

 12週時点で、有害事象関連の治療中止率に差はなかった(介入群4.0% vs.対照群2.4%、p=0.27)。

 評価を継続したサブグループ417例において、介入群よりも対照群でアップタイトレーションに達した割合が有意に高かった(p<0.0001)。52週時点で、無人診察室収縮期血圧値の群間差は7.7mmHg(95%CI:5.2~10.3)であり介入群で継続して低く、血圧コントロール率は介入群(81%)が対照群(62%)よりも高かった(RR:1.32、95%CI:1.16~1.50)。

 無作為化を受けた全被験者における12週までの重篤有害事象の発生は、介入群7例(3%)、対照群3例(1%)であった。

(ケアネット)

専門家はこう見る

コメンテーター : 石川 讓治( いしかわ じょうじ ) 氏

東京都健康長寿医療センター 循環器内科 部長

J-CLEAR推薦コメンテーター