60~80歳高血圧、強化治療が標準治療のベネフィットを上回る/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/09/09

 

 60~80歳の高血圧患者に対する収縮期血圧目標値110~130mmHgとする強化治療は、同130~150mmHgとする標準治療に比べ、心血管イベント発生リスクを約4分の3に低減する。中国・Chinese Academy of Medical SciencesのWeili Zhang氏らが、8,511例の患者を対象に行った無作為化試験の結果を報告した。高齢高血圧患者の心血管リスク低減について、適切な収縮期血圧目標値は不明なままであった。NEJM誌オンライン版2021年8月30日号掲載の報告。

60~80歳の高血圧症患者を対象に強化治療vs.標準治療の無作為化試験

 研究グループは2017年1月10日~12月31日に、60~80歳で収縮期血圧値が140~190mmHgまたは降圧薬服用中の中国人患者を対象に多施設共同無作為化比較試験を行った。

 被験者を無作為に2群に分け、一方には収縮期血圧目標値110~130mmHgで(強化治療群)、もう一方の群は同130~150mmHgで(標準治療群)、それぞれ降圧コントロール治療を行った。

 主要アウトカムは、脳卒中、急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症による入院)、急性非代償性心不全、急性冠動脈血行再建術、心房細動、心血管系の原因による死亡の複合だった。

 9,624例が適格性についてスクリーニングを受け、8,511例が試験に登録された(強化治療群4,243例、標準治療群4,268例)。

心血管イベント発生リスク、強化治療群が標準治療群の0.74倍

 1年後の収縮期血圧平均値は、強化治療群127.5mmHg、標準治療群135.3mmHgだった。

 追跡期間中央値3.34年の主要アウトカム発生は、強化治療群147例(3.5%)、標準治療群196例(4.6%)だった(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.60~0.92、p=0.007)。

 主要アウトカムの個々の同HRについても、脳卒中が0.67(95%CI:0.47~0.97)、急性冠症候群が0.67(0.47~0.94)、急性非代償性心不全が0.27(0.08~0.98)、急性冠動脈血行再建術が0.69(0.40~1.18)、心房細動が0.96(0.55~1.68)、心血管系の原因による死亡が0.72(0.39~1.32)と、大半が強化治療群でより良好であった。

 なお、安全性や腎アウトカムについては、低血圧症の発生頻度が強化治療群で高かった以外は、両群で有意差はなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 桑島 巖( くわじま いわお ) 氏

J-CLEAR理事長

東京都健康長寿医療センター顧問