ファイザー製ワクチン、12~15歳への第III相試験結果/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/10

 

 12~15歳の思春期児において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の安全性プロファイルは良好で、抗体反応は16~25歳よりも上回り、同年代で観察された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン有効率は100%と、高い有効性が示された。米国・シンシナティ小児病院のRobert W. Frenck Jr氏らが、進行中の第III相国際無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。ごく最近まで、新型コロナウイルスワクチンは、16歳未満児への使用は認められていなかった。NEJM誌オンライン版2021年5月27日号掲載の報告。

2回目接種後7日以降の発症予防効果を検証

 試験は観察者盲検にて行われ、12歳以上の被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはBNT162b2(30μg)を、もう一方にはプラセボを、21日間隔で2回投与した。免疫原性の目的は、12~15歳被験者のBNT162b2に対する免疫応答が、16~25歳と比較して非劣性であることとした。

 12~15歳の被験者について、BNT162b2の安全性(反応原性と有害事象)と、2回目接種後7日以降に発症し感染が確認されたCOVID-19に対する有効性を評価した。

2回接種後7日目以降の発症、BNT162b2は0例、プラセボ群16例

 全体で12~15歳の被験者は2,260例で、BNT162b2接種者は1,131例、プラセボ接種者は1,129例だった。

 他の年齢群と同様に12~15歳群でも、BNT162b2の安全性・副反応プロファイルは良好だった。反応原性(reactogenicity)は注射部位痛(79~86%)、疲労感(60~66%)、頭痛(55~65%)など主として一過性で軽度~中等度だった。ワクチンに関連した重篤な有害事象はなく、全体として重度の有害事象は少なかった。

 12~15歳の16~25歳に対する、2回接種後のSARS-CoV-2 50%中和抗体の幾何平均比は、1.76(95%信頼区間[CI]:1.47~2.10)で、非劣性の基準(両側95%CI下限が0.67超)を満たしており、12~15歳群の反応がより大きかったことが示された。

 SARS-CoV-2感染既往エビデンスがない被験者で、2回接種後7日目以降のCOVID-19発症者は、BNT162b2群では認められなかった一方で、プラセボ群では16例に認められた。観察されたワクチン有効率は、100%(95%CI:75.3~100)だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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