3mm未満の冠動脈病変へのDCB vs.DES、3年追跡結果/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/30

 

 小径の新規冠動脈疾患の治療において、薬剤溶出性ステント(DES)に対する薬剤コーティングバルーン(DCB)の有効性/安全性は3年間維持されていた。スイス・バーゼル大学のRaban V. Jeger氏らが、多施設共同非盲検無作為化非劣性試験「BASKET-SMALL 2試験」の3年追跡結果を報告した。BASKET-SMALL 2試験の主要評価項目である12ヵ月後の主要心血管イベント(MACE)について、DESに対するDCBの非劣性が検証されており、DCBは新規小冠動脈疾患に対する治療として1年までは確立されていたが、1年を超えるデータは乏しかった。Lancet誌オンライン版2020年10月19日号掲載の報告。

DCB vs.DES、MACE・全死亡・ステント血栓症・大出血の発生率を3年間追跡

 研究グループは2012年4月10日~2017年2月1日に、ドイツ、スイス、オーストリアの14施設において、直径3mm未満の新規冠動脈病変を有し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる患者758例を、DCB群(382例)または第2世代DESを留置するDES群(376例)に、1対1の割合で無作為に割り付け、3年間追跡した。抗血小板薬2剤併用療法の投与期間は、状態が安定した患者ではDCB群は術後1ヵ月間、DES群は留置後6ヵ月間とした。ただし急性冠症候群(ACS)患者では12ヵ月間が推奨された。

 評価項目は、MACE(心臓死、非致死性心筋梗塞[MI]、標的血管血行再建術[TVR])、全死因死亡、probable/definiteステント血栓症、および大出血(BARC出血基準3~5)であった。最大の解析対象集団について修正intention-to-treat解析が実施された。

MACE発生率はDCB群15%、DES群15%、大出血発生率はそれぞれ2%、4%

 MACE発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群およびDES群ともに15%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.68~1.45、p=0.95)。MACEの各イベントの発生率(Kaplan-Meier推定値)についても、心臓死はDCB群5%、DES群4%(HR:1.29、95%CI:0.63~2.66、p=0.49)、非致死的MIはともに6%(HR:0.82、95%CI:0.45~1.51、p=0.52)、TVRもともに9%(HR:0.95、95%CI:0.58~1.56、p=0.83)であり、全死因死亡率(Kaplan-Meier推定値)もともに8%(HR:1.05、95%CI:0.62~1.77、p=0.87)で、いずれも同程度であった。

 probable/definiteステント血栓症の発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群1%、DES群2%(HR:0.33、95%CI:0.07~1.64、p=0.18)、大出血の発生率はそれぞれ2%および4%(HR:0.43、95%CI:0.17~1.13、p=0.088)で、DES群に比べDCB群で低値であったが統計学的な有意差は認められなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)