転移乳がん、アナストロゾール単剤vs.フルべストラント併用/NEJM

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転移乳がん、アナストロゾール単剤vs.フルべストラント併用/NEJMのイメージ

 米国・カリフォルニア大学アーバイン医療センターのRita S. Mehta氏らは、閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がんに対する、アロマターゼ阻害薬アナストロゾールと選択的エストロゲン受容体調節薬フルベストラントの併用療法の有効性および安全性を検証した、多施設共同無作為化非盲検試験「S0226試験」の全生存期間(OS)に関する最終解析結果を報告した。アナストロゾール+フルベストラント併用投与群はアナストロゾール単独投与群と比較して、OS延長の有意な効果が長期にわたり維持されていたことが示されたという。一方で、アナストロゾール単独投与群の患者の約半数は増悪後にフルベストラントの投与(クロスオーバー)が行われた。本試験について研究グループは2012年に、閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がんに対する1次治療としてのアナストロゾール+フルベストラント併用療法は、アナストロゾール単独投与群と比較し、無増悪生存期間を有意に延長し、OSも有意ではあるもののわずかに延長することを報告していた。NEJM誌2019年3月28日号掲載の報告。

アナストロゾール単独群vs.併用群、有効性と安全性を最長12年追跡
 S0226試験では、未治療の閉経後ホルモン受容体陽性転移乳がん患者を、アナストロゾール単独投与群およびフルベストラント併用投与群に1対1の割合で、術後のタモキシフェン使用の有無で層別化し、無作為に割り付け追跡した。アナストロゾール単独投与群は増悪時にフルベストラント投与へのクロスオーバーが強く推奨された。

 両側層別化log-rank検定およびCox回帰法により生存解析を行うとともに(intention-to-treat解析)、有効性および安全性についてサブグループ解析も行った。

 無作為化された患者707例のうち、適格患者694例が解析対象となった。

併用群のOSが単独群より有意に延長、タモキシフェン投与歴なしで特に有効
 フルベストラント併用投与群は349例中247例(71%)が死亡しOS中央値は49.8ヵ月。一方、アナストロゾール単独投与群は345例中261例(76%)が死亡しOS中央値は42.0ヵ月であり、有意差が確認された(死亡のハザード比[HR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.69~0.98、log-rank検定のp=0.03)。

 サブグループ解析の結果、タモキシフェン治療歴がない患者では、フルベストラント併用投与群はアナストロゾール単独投与群よりもOSの延長が認められたが(OS中央値はそれぞれ52.2ヵ月および40.3ヵ月、HR:0.73、95%CI:0.58~0.92)、タモキシフェン治療歴がある患者では、両群のOSは同程度であった(OS中央値はそれぞれ48.2ヵ月および43.5ヵ月、HR:0.97、95%CI:0.74~1.27)(相互作用のp=0.09)。

 Grade 3~5の有害事象の発現率は、両群で同程度であった。
 なお、アナストロゾール単独投与群の約45%がフルベストラント投与へクロスオーバーしていた。

 著者は、「今回の結果から、とくに術後補助内分泌療法の治療歴がない患者において、アナストロゾール+フルベストラント併用療法の有効性が高いことが示唆された」とまとめている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 矢形 寛( やがた ひろし ) 氏

埼玉医科大学 総合医療センター ブレストケア科 教授

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