ポリミキシンB、重症敗血症性ショックの予後を改善せず/JAMA

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ポリミキシンB、重症敗血症性ショックの予後を改善せず/JAMAのイメージ

 エンドトキシン活性が高い敗血症性ショックの患者において、ポリミキシンBによる血液灌流法(PMX-DHP)を標準治療に加えても、標準治療と比較して28日死亡率は低下しないことが、米国・Cooper University HospitalのR. Phillip Delinder氏らによる、多施設共同無作為化試験「EUPHRATES試験」の結果、示された。PMX-DHPは、敗血症における血中エンドトキシン濃度を低下させることが知られており、敗血症性ショックでエンドトキシン活性が高い患者に対するPMX-DHPを用いた治療は、臨床転帰を改善する可能性があると考えられていた。JAMA誌2018年10月9日号掲載の報告。

PMX-DHP追加の有効性を偽治療と比較、28日死亡率を評価
 EUPHRATES試験は、北米の3次医療機関55施設にて行われた偽治療対照二重盲検比較試験。対象は、敗血症性ショックでエンドトキシン活性が高い(0.60以上)成人重症患者で、登録後24時間以内に標準治療+PMX-DHP 2回(90~120分)を完遂する群(治療群)、または標準治療+偽治療群(対照群)のいずれかに、施設で層別化され無作為に割り付けられた。

 登録期間は2010年9月~2016年6月で、2017年6月まで追跡調査が行われた。主要評価項目は、無作為化された全患者ならびに多臓器障害スコア(MODS)9点以上の患者における28日死亡率であった。

全患者およびMODS 9点以上の患者における28日死亡率はいずれも有意差なし
 登録適格患者は450例(治療群224例、対照群226例)で、平均年齢59.8歳、女性が177例(39.3%)、APACHE II平均スコアは29.4点(範囲0~71)であった。このうち449例(99.8%)が試験を完遂した。

 全患者の28日死亡率は、治療群37.7%(84/223例)、対照群34.5%(78/226例)で、リスク差(RD)は3.2%(95%信頼区間[CI]:-5.7~12.0)、相対リスク(RR)は1.09(95%CI:0.85~1.39、p=0.49)であった。また、MODS 9点以上の患者における28日死亡率は、治療群44.5%(65/146例)、対照群43.9%(65/148例)で、RDは0.6%(95%CI:-10.8~11.9)、RRは1.01(95%CI:0.78~1.31、p=0.92)であり、いずれも有意差は認められなかった。

 重篤な有害事象は全体で264例(治療群65.1%、対照群57.3%)報告され、最も頻度が高かった事象は、敗血症の増悪(治療群10.8%、対照群9.1%)、敗血症性ショックの増悪(治療群6.6%、対照群7.7%)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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