リラグルチドで2型糖尿病の心血管イベントリスク低下/NEJM

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リラグルチドで2型糖尿病の心血管イベントリスク低下/NEJMのイメージ

 心血管イベントの発生リスクが高い2型糖尿病患者に対し、標準治療に加えてGLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)を投与することで、心血管イベントリスクが有意に低下したことが報告された。米国・テキサス大学のSteven P. Marso 氏らによる9,000例超を対象とした国際多施設共同のプラセボ対照無作為化二重盲検試験「LEADER」の結果で、NEJM誌オンライン版2016年6月13日号で発表された。2型糖尿病患者で、標準治療に追加投与した場合のリラグルチドの心血管系の効果については明らかになっていなかった。

心血管死、非致死的心筋梗塞・脳卒中の初回発生を時間事象分析
 LEADER試験は、32ヵ国、410ヵ所の医療機関を通じ、2型糖尿病で心血管イベントの発生リスクが高い9,340例を対象に行われた。

 被験者を無作為に2群に割り付け、一方にはリラグルチドを(1.8mgまたは最大耐容量)、もう一方の群にはプラセボを、それぞれ1日1回標準治療に加え投与した。

 主要評価項目は心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中の初回発生の複合で、時間事象分析にて評価した。本試験は、主要アウトカムについてリラグルチドはプラセボに対し非劣性であると仮定して行われ、非劣性マージンの設定は、ハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)上限値1.30とされた。また、事前規定の探索的アウトカムについて、多様性に関する補正は行われなかった。

リラグルチド投与で心血管死リスクが約2割低下
 追跡期間中央値は3.8年だった。主要評価項目の複合イベントの発生は、プラセボ群14.9%(694/4,672例)に対し、リラグルチド群は13.0%(608/4,668例)と有意に低率だった(HR:0.87、95%CI:0.78~0.97、非劣性p<0.001、優越性p=0.01)。

 個別にみると、心血管死亡の発生は、プラセボ群6.0%(278例)に対し、リラグルチド群は4.7%(219例)で有意に低率だった(HR:0.78、95%CI:0.66~0.93、p=0.007)。また全死因死亡も、それぞれ9.6%(447例)と8.2%(381例)と、リラグルチド群で有意に低かった(同:0.85、0.74~0.97、p=0.02)。

 一方で、非致死的心筋梗塞(同:0.88、0.75~1.03、p=0.11)、非致死的脳卒中(0.89、0.72~1.11、p=0.30)、心不全による入院(0.87、0.73~1.05)の発生については、プラセボ群と比べてリラグルチド群で有意な低下は認められなかった。

 試験薬の中断率は、リラグルチド群がプラセボ群よりも有意に多かった(9.5% vs.7.3%、p<0.001)。リラグルチド群服用中止の原因で最も頻度の高かった有害事象は、消化管イベントだった。膵炎の発生は、リラグルチド群のほうが少なかったが有意差はみられなかった(急性膵炎18例[0.4%] vs.23例[0.5%](p=0.44)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

センター長

J-CLEAR評議員

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