遺伝子LRP5異型が骨密度減少と骨折リスク増大に関連

提供元:ケアネット

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公開日:2008/04/01

 

 低密度リポ蛋白質受容体である遺伝子LRP5の突然変異は、骨密度(BMD)の変化に基づく希有な症候群を引き起こすことが知られている。オランダ・エラスムス大学医療センターのJoyce B. J. van Meurs氏らGENOMOS Studyグループは大規模な研究を行い、LRP5異型が骨密度減少と骨折リスク増大に関わることで、骨粗鬆症に関与していることを見いだしたと報告。JAMA誌 2008年3月19日号より。

欧米の37,534例について腰椎、大腿骨頸部骨密度と骨折を検証
研究は、LRP5遺伝子のうち一般的な異型であるMet 667とVal1330の2種と、類似するLRP6の異型Ile1062Valが、骨密度と骨折リスクに関係するのか、大規模なエビデンスを得るために、ヨーロッパと北アメリカの18研究機関が協力し合計37,534人分のデータを提供する、前向きの多施設共同研究として行われた。データは2004年9月~2007年1月にかけて収集され、2007年2月~5月にかけて分析された。

骨密度は二重エネルギーX線吸光光度定量法で評価され、骨折はアンケート、診療記録またはX線撮影の書証で確認された。骨折データは別に利用するため、脊椎骨折のための放射線検査を含む通常の調査方法で確認された。

主要評価項目は、腰椎と大腿骨頸部の骨密度およびすべての骨折と脊椎骨折の有病率とした。

LRP5の一般的な異型2種とも独立してBMDに影響
腰椎BMD減少との関連が認められたのは、Met667群(n=25,052、Met667当たりBMD 20-mg/cm2減少;P=3.3×10の-8乗)、Val1330群(n=24,812、Val1330当たりBMD 14-mg/cm2減少;P=2.6×10の-9乗)。大腿骨頸部BMDについても同様に関連がみられ、Met667(n=25,193、同11mg/cm2減少;P=3.8×10の-5乗)、Val1330(n=25,193、同8mg/cm2減少;P=5.0×10の-6乗)だった。

脊椎骨折が認められたのは、Met667群では20,488例中2,001例(オッズ比:1.26、95%信頼区間:1.08~1.47)、Val1330では20,096例中1,988例(同1.12、1.01~1.24)だった。

すべての骨折リスクは、Met667群、Val1330群とも増大していた。前者は31,435例中7,876例骨折(同1.14、対立遺伝子当たり95%信頼区間:1.05~1.24)、後者は31,199例中7,802例骨折(同1.06、1.01~1.12)。

ハプロタイプ分析によって、Met667とVal1330異型が両方とも独立してBMDに影響を及ぼすことが確認された。年齢、体重、身長、閉経期状態およびホルモン療法の有無で補正しても変わりはない。

他方、LRP6異型のIle1062Valは、どのような骨粗鬆症の現象とも関係していなかった。

Meurs氏らは「LRP5は、骨粗鬆症に関わる現象について、初めて遺伝子レベルの有意性を示したケースかもしれない。まだ一個の遺伝標識が、あるリスク現象の一部を説明したにすぎないが、骨粗鬆症のリスク変化をいくつか確認できれば、臨床予測を改善し、新薬開発に寄与する可能性もある」と強調している。

(朝田哲明:医療ライター)