総頸動脈内膜中膜複合体厚、従来の心筋梗塞・脳卒中予測モデルを改善せず

提供元:ケアネット

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公開日:2012/09/03

 

 総頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)を予測モデルに加えても、従来のフラミンガムリスクスコアの予測モデルに比べ、初回心筋梗塞または脳卒中の10年発症予測能は改善しないことが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのHester M. Den Ruijter氏らが、14件のコホート試験について行ったメタ解析の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月22・29日号で発表した。CIMTが心血管イベントの絶対リスクを予測するリスクスコアを改善することに関しては、研究結果に一貫性がなかった。

延べ4万6,000人についてメタ解析、中央値11年追跡
研究グループは、地域住民ベースのコホート試験14件、被験者総数4万5,828人を対象とするメタ解析を行った。CIMTを予測モデルに追加することで、初回心筋梗塞または脳卒中の10年発症予測能が、従来のフラミンガムリスクスコアによる予測に比べ、改善するかどうかを調べた。

追跡期間の中央値は11年で、その間に発生した初回心筋梗塞または脳卒中は4,007件だった。

CIMTを追加してもC統計量は同等、純再分類改善度は0.8%
CIMTを追加した予測モデルのC統計量は0.759(95%信頼区間:0.752~0.766)で、フラミンガムリスクスコアのみによる予測モデルのC統計量0.757(同:0.749~0.764)と同等だった。

CIMT追加モデルによる純再分類改善度は0.8%(同:0.1~1.6)とごくわずかだった。リスク度が中程度の人については、追加モデルによる純再分類改善度は3.6%(同:2.7~4.6)だった。男女間に差異は認められなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)