プライマリ・ケアでの女性へのパートナーの暴力に関するスクリーニング、QOLは改善せず

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/28

 

プライマリ・ケアで行われている、女性に対するパートナーの暴力に関するスクリーニングや関連プログラムの紹介は、身体的・精神的QOLスコアの改善にはつながらないことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のJoanne Klevens氏らが、約2,700人の女性について行った無作為化比較試験の結果で、JAMA誌2012年8月15日号で発表された。パートナーの暴力に関するスクリーニングは、多くの医療機関で実施されているが、患者のアウトカムに与える影響についてのエビデンスは乏しかったという。

パートナー暴力のスクリーニングとプログラムを紹介、1年後のQOLスコアを比較

研究グループは、2009年5月~2010年4月にかけて、米国イリノイ州クック郡のプライマリ・ケア医療機関10ヵ所を通じて、2,708人の女性患者について試験を開始した。被験者は18歳以上で、英語またはスペイン語を話し、パートナーと一緒に来院した人は除外した。

同グループは被験者を無作為に3群に分け、第1群には「パートナーの暴力判定尺度」を用いたスクリーニングを行い、結果が陽性の場合には地域のパートナーの暴力に関するプログラムを紹介した(909人)。第2群には、スクリーニングを行わずに、同プログラムのみを紹介した(893人)。第3群は対照群として、スクリーニングもプログラム紹介も行わなかった(898人)。

主要アウトカムは、1年後の生活の質(QOL)質問票短縮版(SF-12)による、身体的・精神的QOLスコアだった。

身体的・精神的QOLスコアはいずれの群でも同等

被験者のうち、2,364人(87%)が1年後に追跡可能だった。被験者の平均年齢は39歳で、55%が非ラテン系アフリカ系アメリカ人で、教育歴が高校以下だった人は57%だった。

結果、試験開始1年後の身体的QOLスコア平均値は、スクリーニング/プログラム紹介群(801人)で46.8(95%信頼区間:46.1~47.4)、プログラム紹介群(772人)で46.4(同:45.8~47.1)、対照群(791人)で47.2(同:46.5~47.8)と、3群間で有意な差は認められなかった。

精神的QOLスコア平均値についても、それぞれ48.3(同:47.5~49.1)、48.0(同:47.2~48.9)、47.8(同:47.0~48.6)と有意な差は認められなかった。

また、仕事を休んだり家事を遂行できなかった日数や、入院日数、救急室や外来ケアを訪れた件数、パートナーの暴力に関するプログラムへの問い合わせ率などについても、3群間で有意な差は認められなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)