人工股関節全置換術、metal-on-metal関節で高い再置換率

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/04/12

 



人工股関節全置換術(THR)では、metal-on-metal関節は他の人工関節に比べ再置換を要する確率が高く、骨頭径が大きいほど5年再置換率が上昇することが、英国・ブリストル大学整形外科のAlison J Smith氏らの検討で示された。THRは極めて一般的な施術法だが、特に若年患者で人工関節が機能しなかったり、摩滅や転位に起因する弛緩によって再置換を要する場合があるという。これらの問題への対処法として、骨頭径が大きく摺動面がmetal-on-metalの人工関節の移植が行われるが、その耐用性は明らかではなく、セラミック製のceramic-on-ceramic関節の有用性も報告されている。Lancet誌2012年3月31日号(オンライン版2012年3月13日号)掲載の報告。

3種の人工関節の耐用性を評価




研究グループは、metal-on-metal関節は他のTHR用の人工関節(ceramic-on-ceramic関節、metal-on-polyethylene関節)に比べ耐用性が優れるかを評価し、さらに骨頭径の大きさが耐用性に及ぼす影響について検討を行った。

2003~2011年までにNational Joint Registry of England and Walesに登録された初回THR施行患者40万2,051例(そのうち3万1,171例がmetal-on-metal関節)を解析の対象とした。多変量パラメータモデルを用いて、再置換術の施行率を推算した。
骨頭径の大きなceramic-on-ceramic関節の有用性が高い




metal-on-metal関節は、ceramic-on-ceramic関節やmetal-on-polyethylene関節に比べ再置換率が高かった。60歳の男性の5年再置換率は骨頭径28mmで3.2%、52mmでは5.1%と、サイズが大きくなるに従って上昇した。若年女性の5年再置換率は、骨頭径28mmのmetal-on-polyethylene関節では1.6%であったが、46mmのmetal-on-metal関節では6.1%だった。

これに対し、ceramic-on-ceramic関節では60歳男性の5年再置換率が、骨頭径28mmで3.3%、40mmでは2.0%と、サイズが大きくなるほど低下した。

著者は、「metal-on-metal関節は耐用性が劣るため使用すべきではない」と結論づけ、「特に骨頭径の大きな人工関節を留置された若年の女性患者では注意深いモニタリングを要する。骨頭径の大きなceramic-on-ceramic関節は有用性が高く、継続的な使用が推奨される」としている。

(菅野守:医学ライター)