組織レベルの潜在的な利益相反には継続して注意が必要

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ケアネット

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医学研究は、組織レベルの利益相反に影響される可能性があるが、これまでアメリカの医科大学が、組織レベルの利益相反(ICOI)を伴う課題にどう対処してきたかに関する全国的なデータはなかった。そこで米国医科大学協会(AAMC)のSusan H. Ehringhaus氏らが全国調査を実施。「潜在的な利益相反について倫理委員会(IRB)に報告する制度に不備がある」として、医学界は継続的に注意を払う必要性を強調している。JAMA誌2008年2月13日号より。

全米125医科大学の学部長が調査対象




米国の医科大学は、2つの国立高等教育機関と研究機関が基準として推奨するICOI対処方針と実践を採用しているが、Ehringhaus氏らはその現状を評価する調査を実施した。

調査対象は、米国における公認された「西洋医学」(逆症療法)の大学125施設で、2006年2月~12月在職の学部長。各大学が自らの組織と職員に適用しているICOI対処方針の範囲、隠された実態や役割の有無、経済的関係への対処方針の範囲、 ICOIを回避する手段として推奨された組織の存在、ICOIに対する倫理委員会(IRB)との組織的連携を評価した。

潜在的ICOIに関する倫理委員会への報告制度に不備




調査には125医科大学のうち86施設(69%)から回答があった。施設として経済的利益に適用するICOI方針を採用していたのは30施設(38%)だけだが、職員個人の経済的利益に適用するICOI方針を採用していたのは、上級職員対象が55施設(71%)、中級職員対象が55施設(69%)、倫理調査委員会メンバー対象が62施設(81%)、取締役会メンバー対象が51施設(66%)あった。また43施設(78%)は、研究スポンサーと研究担当職員間、43施設(78%)は研究目的の成果物と研究担当職員間の利害関係を潜在的ICOIとして扱っていた。

大部分の施設は、研究責任を投資的経営と技術移転義務から分離する組織があったが、Ehringhaus氏らは、「審査中の研究プロジェクトにおける潜在的ICOIについて、倫理委員会に報告する制度に不備がある」として、「より包括的なICOIがもたらす課題に対処するために、純粋に学問的な医学的立場からの継続的な注意が必要」と強調している。

(朝田哲明:医療ライター)

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