プライマリ・ケアにおける腰背部痛治療、予後リスクによる層別化管理法が有効

提供元:ケアネット

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公開日:2011/11/10

 



プライマリ・ケアにおける腰背部痛の治療では、予後のスクリーニングに基づく層別化管理法(http://www.keele.ac.uk/sbst/)が現在の最良の治療法よりも有効な可能性があることが、イギリス・キール大学のJonathan C Hill氏らの検討で示された。腰背部痛は、現在も世界中でプライマリ・ケアにおける大きな課題となっており、最近では、従来のすべての患者を一律に管理する戦略は患者の不均一性を無視しているため最適な治療とはいえないと考えられている。著者らが開発した予後のリスクで層別化(低、中、高リスク)した管理モデルは、画一的な治療アプローチを超えて、プライマリ・ケアにおいて臨床的、経済的なベネフィットをもたらすものと期待されていた。Lancet誌2011年10月29日号(オンライン版2011年9月29日号)掲載の報告。

プライマリ・ケアでの有効性を評価する無作為化対照比較試験




研究グループは、プライマリ・ケアでの腰背部痛の治療における層別化管理法(介入群)と、層別化を行わない現時点での最良の治療法(対照群)の臨床的有効性と費用対効果を評価する無作為化対照比較試験を行った。

イングランドの10ヵ所のプライマリ・ケア施設で腰背部痛の診察を受けた18歳以上の1,573人が、試験への参加依頼に応じた。これらの患者が介入群と対照群に2対1の割合で割り付けられた。

主要評価項目は、治療12ヵ月後のRoland Morris機能障害質問票(RMDQ)スコア(値が高いほど障害の程度が高い)による治療効果とした。質調整生存年(QALY)の増分および腰背部痛関連の医療費についても評価を行った。

RMDQスコア、QALY、コストが改善




解析の対象となった851例のうち、568例が介入群に、283例は対照群に割り付けられた。

RMDQスコアの調整平均変化は、介入群が対照群に比べ治療4ヵ月(4.7 vs. 3.0、群間差:1.81、95%信頼区間:1.06~2.57)および12ヵ月(4.3 vs. 3.3、群間差:1.06、95%信頼区間:0.25~1.86)の時点で有意に大きかった。

治療12ヵ月の時点で、介入群は対照群に比べQALYが平均で0.039延長し、コストが34.39ポンド削減(240.01 vs 274.40ポンド)された。

著者は、「腰背部痛の予後スクリーニングに基づく層別化管理法は、プライマリ・ケアにおける将来の管理法として大きな意義を持つと考えられる」と結論している。

(菅野守:医学ライター)