2004年のCONSORT拡張版発表後も、臨床試験報告の方法論基準に改善認められず

提供元:ケアネット

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公開日:2011/10/28

 



臨床試験報告に関する統合基準「CONSORT」(consolidated standards of reporting trials)の拡張版が2004年に発表されて以降、クラスター無作為化試験の報告基準には多少の改善がみられたものの、方法論基準には改善が認められないことが報告された。カナダ・Women’s College Hospital(トロント)のN M Ivers氏らが、300のクラスター無作為化試験について調べ明らかにしたもので、BMJ誌2011年10月15日号(オンライン版2011年9月26日号)で発表した。

クラスター無作為化試験300のCONSORT遵守について、04年以前と05年以降を比較




CONSORTの初版は1996年に作成されたが、その初版発表の影響についての調査では、1997~2000年に発表されたクラスター無作為化試験において、その大部分がCONSORTで推奨する方法論基準に遵守していないことが明らかになった。そのため2004年、方法論基準と報告基準に関する項目を強化した拡張版が作成された。

Ivers氏らは、2000~2008年に英語雑誌にて発表された300のクラスター無作為化試験について、報告基準の14項目と方法論基準の4項目のCONSORT拡張版遵守の状況について調査を行い、2000~2004年に発表されたものと2005~2008年に発表されたものを比較した。

報告基準14項目のうち5項目は改善、方法論基準4項目はいずれも改善認められず




結果、報告基準14項目のうち5項目については、2005年以降に発表されたものに有意な改善が認められた。具体的には、無作為化されたクラスターについての説明、クラスターのデザインの正当性、アウトカムの評価はブラインドだったか否か、無作為化されたクラスターの数、追跡を失ったクラスターの数の5項目だった。

一方で、方法論基準の4項目については、いずれも有意な改善は認められなかった。

また全体的に、臨床的環境下の試験は非臨床的環境下の試験よりも、また医学雑誌に発表された試験結果はそうでないものよりも、報告基準や方法論基準がより遵守されている傾向が認められた。

研究グループは、「クラスター無作為化試験におけるCONSORTの報告基準と方法論基準の遵守を促すには、さらなる改善のための働きかけが必要だ」と結論している。

(當麻 あづさ:医療ジャーナリスト)