2009年新型インフルエンザワクチンの安全性と有効性:中国・北京

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2011/01/12

 



中国・北京における、2009年の新型インフルエンザ(H1N1)ワクチン接種の安全性と有効性について、安全性プロファイルは季節性インフルエンザワクチンと同等であり、また新型インフルエンザウイルス感染が確定した学童期の子どもで有効だったとの報告が、北京疾病管理予防センターのJiang Wu氏により発表された。中国では、2009年9月以降に単価ワクチンが利用可能となり、ただちに当局による北京での集団ワクチン接種のプログラム実行が指示されたという。Wu氏らは、同ワクチンの安全性と有効性について評価を行った。NEJM誌2010年12月16日号掲載より。

北京のワクチン接種者、小児・成人9万5,244例を評価




Wu氏らは、2009年9月21~25日の5日間で、PANFLU.1ワクチン(Sinovac Biotech社製)の接種を受けた、北京の小児および成人合計9万5,244例を対象に評価を行った。ワクチンは非アジュバンドの赤血球凝集素抗原15μg含有単価スプリットビリオンワクチンであった。

評価は、強化受動サーベイランスシステム(日記)とアクティブサーベイ(電話インタビュー)を用いて、接種後の有害事象について行われた。また神経疾患のアクティブサーベイを、市内全病院で行った。

ワクチン有効性の評価は、学生を対象に行われ、集団予防接種の2週間後から報告された、2009年新型インフルエンザウイルス感染の検査確定例の発生率を、ワクチン接種群と非接種群とで比較した。

推定ワクチン有効率は87.3%




結果、2009年12月31日時点で、接種者の有害事象の報告例は193例あった。

病院ベースのアクティブサーベイの結果では、集団予防接種後10週間以内で、362例の新規神経疾患が発生していたことが明らかになった。そのうち27例がギラン・バレー症候群であった。神経疾患の発症例にワクチン接種者はいなかった。

学生の評価は、245校を対象に行われた。集団接種を受けた学生は2万5,037例、非接種の学生は24万4,091例であった。そのうち2009年10月9日~11月15日の間に、2009年新型インフルエンザ感染確定症例の発生率は、接種学生群では10万人あたり35.9例(9/25,037例)、非接種学生群は同281.4例(687/244,091例)であり、推定ワクチン有効率は87.3%(95%信頼区間:75.4~93.4)であった。

(武藤まき:医療ライター)