妊娠初期の抗てんかん薬カルバマゼピン、二分脊椎症と関連

提供元:ケアネット

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公開日:2010/12/24

 



妊娠第一トリメスターにおける抗てんかん薬カルバマゼピン(商品名:テグレトールなど)服用と先天異常との関連について、バルプロ酸(商品名:デパケンなど)よりも低リスクではあったが、二分脊椎症が特異であると認められることが、システマティックレビュー、ケースコントール試験の結果、示された。オランダ・フローニンゲン大学薬学部門のJanneke Jentink氏らによる。カルバマゼピンは、妊娠可能な欧州女性において最も一般的に服用されている。これまでその先天異常との関連を示唆する試験は複数あるが、個々の試験は小規模でリスク検出力が統計的に不十分なものであった。BMJ誌2010年12月11日号(オンライン版2010年12月2日号)掲載より。

文献レビューと380万分娩登録ベースのEUROCATデータを用いて解析




試験は、妊娠第一トリメスターにおけるカルバマゼピン曝露と特異的な主要先天異常との関連を同定することを目的とし、Jentink氏らは、これまで公表されたすべてのコホート試験で試験目的のキーとなるインディケーターを同定し、住民ベースのケースコントロール試験で、そのインディケーターを検証した。

レビューは、PubMed、Web of Science、Embaseを使って文献検索を行うとともに、1995~2005年に欧州19の先天異常レジストリから登録されたデータを含むEUROCAT Antiepileptic Study Databaseのデータも解析に含んだ。

被験者は、文献レビューからは8試験のカルバマゼピン単独療法曝露2,680例、EUROCATからは先天異常が報告登録された9万8,075例(分娩全体数は380万例)であった。

主要評価項目は、妊娠第一トリメスターでのカルバマゼピン曝露後の主要先天異常の全出現率、文献レビューで規定した5つの先天異常のタイプの症例群とコントロール群の2群(非染色体症候群と染色体症候群)との比較によるオッズ比であった。

バルプロ酸よりもリスクは低い




結果、文献レビューでの全出現率は3.3%(95%信頼区間:2.7~4.2)であった。先天異常登録例では131例の胎児がカルバマゼピンに曝露していた。

先天異常のうち二分脊椎症だけが、カルバマゼピン単独療法群との有意な関連が認められた(非抗てんかん薬群との比較によるオッズ比:2.6、95%信頼区間:1.2~5.3)。しかし、そのリスクはバルプロ酸と比べると低かった(オッズ比:0.2、95%信頼区間:0.1~0.6)。

その他の先天異常についてはエビデンスが得られなかった。総肺静脈還流異常症はカルバマゼピン単独療法群では0例であり、唇裂(口唇裂有無含む)オッズ比は0.2(95%信頼区間:0.0~1.3)、横隔膜ヘルニアは同0.9(同:0.1~6.6)、尿道下裂は同0.7(同:0.3~1.6)であった(オッズ比はすべて非てんかん薬群との比較)。さらに探索的解析の結果では、単心室欠損症と房室中隔欠損症のリスクが高いことは示された。

Jentink氏は、「バルプロ酸よりもリスクは低いが、カルバマゼピンの催奇形性として相対的に二分脊椎症が特異である」と結論。また、データセットは大規模であったが、複数の主要な先天異常のリスク検出力は不十分であったとも述べている。