がんスクリーニング、進行がん患者へのベネフィットは疑問なのに相当割合で続行

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2010/10/26

 



がんスクリーニングがルーチンのプライマリ・ケアに組み込まれているが、余命が限られている進行がん患者に対してはベネフィットに疑問があるものの、相当割合で実施されていることが調査により明らかになった。米国Sloan-Kettering記念がんセンターのCamelia S. Sima氏らが、約9万人の進行がん患者と、その対照群について調べた結果によるもので、JAMA誌2010年10月13日号で発表した。

進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がん患者と対照群を追跡




同氏らは、1998~2005年にかけて、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの65歳以上加入者で、進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がんのいずれかと診断された8万7,736人について追跡調査を行った。

対照群として、メディケア加入者でがんの診断を受けていない、年齢や性別、人種などをマッチングした8万7,307人を抽出し追跡した。

追跡期間は、2007年末または患者が死亡するまでのいずれかの早い方とした。

がん診断前にスクリーニング歴ある人の方が継続して受けている割合が高い




結果、女性被験者で、追跡期間中に1回以上のマンモグラフィを受けた人は、進行がん群8.9%、対照群22.0%だった。子宮頸がん検査の実施率はそれぞれ、5.8%と12.5%だった。

男性被験者で、前立腺特異抗原(PSA)検査を受けたのは、進行がん群15.0%、対照群27.2%だった。

男性・女性被験者で、下部消化管内視鏡検査の実施率は、進行がん群1.7%、対照群4.7%だった。

また、実施率は、進行がんの診断を受ける以前12~24ヵ月の間に、同種のがんスクリーニング歴のある人の方がない人より高かった。ある人とない人のマンモグラフィ実施率は16.2%対5.7%、子宮頸がん検査は14.7%対4.0%、PSA試験は23.3%対10.3%、下部消化管内視鏡検査は6.1%対1.5%だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)