ヒト喘息でも認められたキチナーゼ様蛋白質YKL-40との関連性

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ヒト喘息でも認められたキチナーゼ様蛋白質YKL-40との関連性のイメージ

自然界に大量に存在するキチン質を分解する作用能力を持つキチナーゼに関して、エール大学医学部のGeoffrey L. Chupp氏らは2004年に、動物モデル研究で、喘息と真のキチナーゼ(哺乳類酸性キチナーゼ)との関連性を報告した。同研究ではまた、血清中で容易に測定が可能な、YKL-40と呼ばれる酵素活性を有さないキチナーゼ様蛋白質[ヒト軟骨糖蛋白39(HCgp-39)、chitinase 3-like 1とも呼ばれる]に関しても関連を報告している。Chupp氏らは今回、このYKL-40レベルとヒト喘息における関連性について検討した。NEJM誌11月15日号掲載より。

3地点でYKL-40レベルを測定、臨床的特徴も評価




Chupp氏らがYKL-40に着目したのは、これまでYKL-40がヒトの疾患での炎症と組織リモデリングにおいて重要な役割を果たしていることが多数の研究で報告されてきたことがある。ただしヒト喘息に関する検討は行われていなかった。

検討のための血清YKL-40測定は、3つの喘息患者群(エール大学、パリ大学、ウィスコンシン大学それぞれを基点に集められた患者群、対照群は各周辺コミュニティから)で行われた。パリ大学患者群については、肺濃度が測定されている。

喘息疾患とYKL-40との関連は、YKL-40の血清濃度および肺濃度、また各濃度が高い患者の臨床的特徴についても評価を行い検討された。

喘息重症度とは正相関、1秒量とは逆相関




血清YKL-40レベルは、対照群と比較して喘息患者群では有意な上昇が確認された。

パリ大学患者群においては肺濃度が高く、循環血中YKL-40レベル(r=0.55、P<0.001)と、気道リモデリング(上皮下基底膜の厚みを評価)(r=0.51、P=0.003)で相関が認められた。

また、3つの患者群すべてにおいて、血清YKL-40レベルは喘息の重症度と正の相関を示し、1秒間の強制呼気容量(1秒量)とは逆相関を示した。

さらにYKL-40レベルが高い患者では低い患者より、吸入器の救急使用頻度が有意に高く、経口コルチコステロイドの使用も有意に多く、入院率も有意に高かった。

Chupp氏らは、喘息患者群では血清および肺でのYKL-40量の増加が認められ、またその発現と喘息の重症度の関連についても認められたと報告。喘息患者のYKL-40を分析することで、その病因・病態における役割が明らかになるだろうとまとめている。

(武藤まき:医療ライター)

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