HPV-16/18ワクチンの子宮頸がん長期予防効果を確認

提供元:ケアネット

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公開日:2009/12/24

 



HPV-16/18 AS04アジュバントワクチン(商品名:サーバリックス)の接種により、6年以上が経過しても子宮頸がん発生に対する良好な予防効果が持続することが、カナダAlberta大学のBarbara Romanowski氏らが実施したフォローアップ試験で確認された。子宮頸がんは女性の悪性腫瘍のうち世界で2番目に頻度が高く、2002年にはほぼ50万人が新たに診断を受け約27万人が死亡しているが、その多くが開発途上国の女性だという。2001年に始まった本ワクチンの有効性に関する主試験の成果がすでに報告され、2003年に開始された長期フォローアップ試験についても2度の中間解析の結果が発表されている。なお、本ワクチンは日本でも2009年10月に承認を受けている。Lancet誌2009年12月12日号(オンライン版2009年12月3日号)掲載の報告。

6.4年のフォローアップ試験と主試験の解析




研究グループは、HPV-16/18 AS04アジュバントワクチンの有効性、免疫原性、安全性について評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験の接種後6.4年におけるフォローアップデータの解析を行った。

スクリーニング時にHPV-16/18血清反応陰性、発がん性HPV DNA(14タイプ)陰性で細胞診が正常と診断された15~25歳の女性が、ワクチン接種群(560人)あるいはプラセボ群(553人)に無作為に割り付けられた。フォローアップ試験には3ヵ国27施設から登録された776人(ワクチン群393人、プラセボ群383人)が参加した。

HPV DNA検査用の子宮頸部検体は6ヵ月毎に採取された。細胞診で異常所見を認めた場合の管理法は事前に規定され、HPV-16/18抗体力価の検査が行われた。HPV-16、HPV-18あるいは両方の子宮頸部感染に対するワクチンの長期的な予防効果について評価した。

6.4年の時点におけるフォローアップ試験とともに、主試験の解析も行った。主要評価項目である有効性に関してaccording-to-protocol(ATP)解析を行い、grade 2以上の子宮頸部上皮内がん(CIN2+)については全ワクチン接種者(TVC)を対象に解析を行った。

接種後6.4年の予防効果は95.3%、抗体濃度は自然感染の12倍以上を維持




主試験とフォローアップ試験の統合解析ではワクチン群465人とプラセボ群454人についてATP解析を行い、TVC解析の対象となったのはそれぞれ560人、553人であった。

HPV-16/18感染に対するワクチンの予防効果は95.3%であり、12ヵ月持続感染の予防効果は100%であった。CIN2+の予防効果は、HPV-16/18関連病変については100%、HPV DNA非検出病変では71.9%であった。

HPVに自然感染した女性は新たに同型のHPVに感染しやすい状態が続くが、これは自然感染後の抗体濃度がHPVの予防には十分でないためとされる。今回、ELISA法で測定したところ、ワクチンで誘導された抗体濃度は、HPV-16、HPV-18ともに自然感染による抗体濃度の12倍以上が維持されていた。

安全性のアウトカムは両群で同等であり、フォローアップ試験中に重篤な有害事象を発現したのはワクチン群が8%(30/373人)、プラセボ群は10%(37/369人)であった。そのうちワクチン接種に関連、あるいはその可能性があると判定されたものはなく、死亡者も認めなかった。

著者は、「HPV-16/18 AS04アジュバントワクチンは、接種後6.4年が経過しても極めて良好な長期的有効性を示すとともに高い免疫原性が持続し、良好な安全性が確認された」と結論し、「本ワクチンはHPV DNAが検出されない病変やHPV-31、HPV-45の予防効果をも併せ持つことが確認された。今回のデータからは、HPV-16/18の予防効果はさらに長期にわたって持続すると予測される」としている。

(菅野守:医学ライター)