非定型抗精神病薬治療、忍容性の差を検証 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/01 英国・UCLスクール・オブ・ファーマシーのNoor B. Almandil氏らは、小児と青年期若者の非定型抗精神病薬治療による体重増加とその他の代謝への影響について、システマティックレビューとメタ解析を行った。解析に組み込まれたのは、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾールの3剤であった。Pediatric Drugs誌2013年4月15日号の掲載報告。 本解析では、体重増加への影響を主要目的とし、その他の代謝への影響を副次目的とした。EMBASE、PubMed、BIOSIS、International Pharmaceutical Abstractsなどのデータソース、および特定された試験の参考文献リストも対象として文献の検索を行った。適格としたのは、二重盲検無作為化対照試験であり、小児および若者(18歳以下)における非定型抗精神病薬使用と、代謝への有害作用(体重増加、脂質、グルコース、プロラクチン値異常)との関連を調べた試験とした。有害作用の検討は、主要エンドポイントあるいは副次エンドポイントであるかを問わなかった。 主な結果は以下のとおり。 ・プラセボと各試験薬を比較した、21試験・被験者2,455例が解析に組み込まれた。リスペリドンとの比較は14試験・1,331例、オランザピンは3試験・276例、アリピプラゾールは4試験・848例であった。 ・解析の結果、プラセボと比較して、各試験薬の体重増加の平均値は、オランザピン3.45kg(95%CI:2.93~3.98)、リスペリドン1.77kg(同:1.35~2.20)、アリピプラゾール0.94kg(同:0.65~1.24)であった。 ・その他代謝については、8試験において、リスペリドン治療群におけるプロラクチン値の統計的に有意な上昇が報告されていた。 ・また、2試験において、オランザピン治療群のグルコース、総コレステロール、プロラクチン値の統計的に有意な上昇が報告されていた。 ・一方でアリピプラゾール群について、プロラクチン値の統計的に有意な減少が3試験で報告されていた。 ・脂質、グルコース、プロラクチン値の変化については、メタ解析を行うにはデータが非常に限定的であった。 ・以上から、3剤とも体重増加との関連が統計学的に有意であること、最も体重増加が大きいのはオランザピンであり、アリピプラゾールはわずかであった。副次アウトカムについては、比較可能な複数試験は特定されたが、データはメタ解析の実施および確定的な結論を導き出すにはあまりにも不十分であった。 関連医療ニュース ・薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・ ・第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学 (ケアネット) 原著論文はこちら Almandil NB et al. Paediatr Drugs. 2013 Apr;15(2):139-50. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 超早産児の1次呼吸補助、非侵襲的高頻度振動換気法が有望/BMJ(2025/10/21) 術前療法後の高リスクHER2+早期乳がん、T-DXd vs.T-DM1(DESTINY-Breast05)/ESMO2025(2025/10/21) 進行尿路上皮がん、アベルマブ維持療法前の化学療法3サイクルvs.6サイクル(DISCUS)/ESMO2025(2025/10/21) HER2変異陽性NSCLCの1次治療、ゾンゲルチニブの奏効率77%(Beamion LUNG-1)/ESMO2025(2025/10/21) 若者の片頭痛、30年間で世界的な負担が急増(2025/10/21) アブレーション後の再発予防、スタチンが最適か~ネットワークメタ解析(2025/10/21) 日本の中学生のピロリ検査、陽性率1.2%で半数は家族感染(2025/10/21) たとえ少量でも飲酒は認知症リスクを高める(2025/10/21)