第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・ 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/01/15 第二世代抗精神病薬(SGA)は2型糖尿病リスクを増大する。そのメカニズムは、薬剤による体重増加を中心に、インスリン抵抗性の代謝異常カスケードが始まり、インスリン産生の増大と膵β細胞の機能障害によるものだと考えられている。米国・ザッカーヒルサイド病院のPeter Manu氏らは、SGAであるクロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンについて、インスリン分泌への影響を検討した。Schizophrenia Research誌オンライン版2012年12月8日号の掲載報告。 SGAは2型糖尿病リスクを増大する。そのメカニズムは、薬剤による体重増加を中心に、インスリン抵抗性の代謝異常カスケードが始まり、インスリン産生の増大と膵β細胞の機能障害によるものだと考えられている。SGAのインスリン分泌への独立した影響については、これまで動物モデルの試験においては示唆されていたが、臨床では実証されていなかった。研究グループは、SGA治療中の患者における負荷試験後インスリン分泌について評価することを目的に、単一施設で代謝評価を受けた連続する783例の成人精神疾患入院患者コホートのうち、520例の非糖尿病患者を対象とした試験を行った。インスリン分泌は、75gブドウ糖負荷試験後のベースライン、30分、60分、120分時点での記録を基に作成した曲線下面積[AUC(インスリン)]で評価し、インスリン分泌の独立予測因子について、サンプル全体で、または正常耐糖能(NGT)と糖尿病前症患者に分けて回帰分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者520例の内訳は、クロザピンを服用する群が73例、オランザピン群190例、クエチアピン群91例、リスペリドン群166例であった。 ・負荷後AUC(インスリン)の独立予測因子は、AUC(グルコース)・腹囲・トリグリセリド値・低年齢(p<0.0001)、非喫煙(p=0.0012)、クロザピン治療(p=0.021)であった。 ・モデルが示すインスリン分泌バリアンスは、33.5%であった(p<0.0001)。 ・クロザピンの影響は、NGT群ではみられたが、糖尿病前症患者群では認められなかった。 関連医療ニュース ・抗精神病薬誘発性の体重増加に「NRI+ベタヒスチン」 ・統合失調症患者の体重増加、遺伝子との関連を検証! ・「糖尿病+うつ病」に対する抗うつ薬の有効性は“中程度” (ケアネット) 原著論文はこちら Manu P et al. Schizophr Res. 2012 Dec 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ACSへのPCI後1~12ヵ月でのチカグレロル単独vs.アスピリン併用/Lancet(2024/04/25) セマグルチド、肥満関連の心不全・2型糖尿病に有効/NEJM(2024/04/25) 雑音対策で補聴器の調節、設定をより正確に/デマント・ジャパン(2024/04/25) 切除不能StageIIIのNSCLCにおけるCRTとデュルバルマブの同時併用の成績(PACIFIC-2)/ELCC2024(2024/04/25) 日本人の遅発性ジスキネジアに対するバルベナジンの有効性と安全性(2024/04/25) 怒りの感情をぶちまけても効果なし(2024/04/25) コロナよりもインフルエンザの方が脳への影響が大きい(2024/04/25)