ゴルフは身体的、認知的、社会的要求を伴う多面的な活動であるため、高齢者の身体的および認知的機能の維持に関連している可能性があるが、ゴルフの継続期間や頻度と認知機能との関係は明らかになっていない。そこで、国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センターの島田 裕之氏らは、高齢者におけるゴルフと認知機能との関連、継続期間や練習パターンとの関連を検討した。その結果、高齢期にゴルフを継続することは認知機能低下リスクが低いことと関連しており、またゴルフ歴が長いほどリスクが低いことが示された。Acta Psychologica誌2026年8月号に掲載。
本研究は、愛知県大府市で募集された65歳以上の地域在住高齢者4,575人を対象にした横断研究である。参加者を現在のゴルフのプレー状況に基づき、「ゴルフをしている」「ゴルフをやめた」「ゴルフ経験がない」の3群に分類した。4つの認知機能テストのうち1つ以上で閾値を下回った参加者は、認知機能の低下があると判断した。
主な結果は以下のとおり。
・参加者の平均年齢は72.8±5.4歳(範囲:65〜93歳)であった。
・認知機能の低下は、ゴルフをしている群(509人)で14.1%、ゴルフをやめた群(571人)で20.1%、ゴルフ経験がない群(3,495人)で21.6%に認められた。
・認知機能の低下については、ゴルフしている群はゴルフ経験がない群と比べてオッズ比(OR)が有意に低かった。ゴルフ歴が長いほどORが有意に低かった(p<0.01)が、ラウンド数や練習回数との間に関連は認められなかった。
・記憶機能の低下については、ゴルフをやめた群およびゴルフをしている群ではゴルフ経験がない群と比べて、ORが有意に低かった。
・実行機能の低下については、ゴルフしている群はゴルフ経験がない群と比べて、ORが有意に低かった。
本研究では、高齢期にゴルフを継続することは認知機能低下リスクが低いことと関連しており、ゴルフ歴が長いほどリスクが低かった。一方、ラウンド数や練習回数と認知機能には明らかな関連が認められなかったことから、著者らは「プレーや練習の頻度よりも継続することが、高齢者の認知機能に関連する可能性が示唆される」と考察している。
(ケアネット 金沢 浩子)