HER2+転移乳がん1次治療、T-DXd+PによるCR/deep PRが長期PFS改善と関連(DESTINY-Breast09)/ASCO2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/03

 

 HER2+の進行または転移を有する乳がん患者の1次治療として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)+ペルツズマブ併用療法の有用性を評価した第III相DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果、半数以上の患者が完全奏効(CR)または腫瘍縮小率の高い部分奏効(deep PR)を達成し、CRおよびdeep PRの達成は長期的なアウトカムの改善と関連していたことを、韓国・成均館大学校のYeon H. Park氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

 DESTINY-Breast09試験のこれまでの解析において、T-DXd+ペルツズマブ併用療法はタキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法(THP群)と比較してCR率がほぼ倍増し、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。今回は、最良奏効のサブグループ(CR、PR[deep PR、other PR]、安定/進行[SD/PD])別の有効性と安全性の探索的解析結果が報告された。なお、deep PRは80%以上100%未満の腫瘍縮小、other PRは30%以上80%未満の腫瘍縮小と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・T-DXd+ペルツズマブ群で評価可能な377例のうち、CRが15.4%、deep PRが37.4%、other PRが33.7%、SD/PDが13.5%であり、半数以上の患者がCRまたはdeep PRを達成した。
・24ヵ月PFS率は、CR:85.1%(95%信頼区間[CI]:72.2~92.3)、deep PR:80.0%(同:71.7~86.1)、other PR:64.3%(同:54.3~72.8)、SD/PD:35.5%(同:21.1~50.2)であり、CRとdeep PRの達成は同等に持続的なPFSの改善と関連していた。
・最良奏効到達までの期間の中央値は、CR:8.4ヵ月(95%CI:5.6~11.1)、deep PR:9.6ヵ月(同:6.8~11.0)、other PR:1.5ヵ月(同:1.4~2.0)であった。
・24ヵ月時点で最良奏効を継続していたのは、CR:85.0%(95%CI:72.1~92.3)、deep PR:78.9%(同:70.4~85.2)、other PR:60.4%(同:50.0~69.3)であった。
・CRおよびdeep PRを達成した患者群では総治療期間の中央値が長く、CR:28.0ヵ月(範囲:4.8~44.5)、deep PR:25.4ヵ月(同:3.4~42.7)であった。other PRは20.6ヵ月(同:2.6~41.8)、SD/PDは4.4ヵ月(同:0.3~37.2)であった。
・患者の80%が24ヵ月時点で最大の腫瘍縮小を達成しており、奏効は時間の経過とともに深まることが示唆された。
・THP群では、deep PR達成はCR達成と同等のアウトカム改善とは関連していなかった。
・Grade3以上の薬剤関連有害事象の曝露期間調整済み発現率(EAIR)は、患者1人年当たりCR:0.30、deep PR:0.28、other PR:0.32、SD/PD:0.57であった。投与中止に至った有害事象のEAIRは、それぞれ0.14、0.10、0.13、0.16であった。新たな安全性シグナルは特定されなかった。
・薬剤関連間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎の発現率は類似しており、CR:12.1%(7例、いずれもGrade1/2)、deep PR:15.5%(22例、いずれもGrade1/2)、other PR:7.8%(10例、いずれもGrade1/2)、SD/PD:12.2%(6例、うちGrade5が2例[4.1%])であった。

 これらの結果より、Park氏は「DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果は、HER2+転移乳がん1次治療のアウトカムを改善するために、深く持続的な奏効を達成することの重要性を裏付けるものである」とまとめた。

(ケアネット 森)

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