初発うつ病患者の抑うつ/不安症状と血圧との関係

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/14

 

 抑うつ症状および不安症状は、うつ病患者によくみられる症状である。しかし、未治療うつ病患者におけるこれらの症状と血圧との関連は、これまで十分に解明されていなかった。中国・南京医科大学第二附属医院のQi Qian氏らは、初回発症・未治療のうつ病患者における抑うつ症状および不安症状と血圧との間の潜在的な関連を検討するため、本研究を実施した。Scientific Reports誌2026年2月10日号の報告。

 対象は、初回発症・未治療のうつ病患者1,718例。抑うつ症状はハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)、不安症状はハミルトン不安尺度(HAMA)を用いて評価した。収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)をアウトカム変数とした。多重線形回帰分析を用いて、人口統計学的特性および臨床変数を調整したうえで、HAMD-17スコアおよびHAMAスコアと血圧との関係を評価した。

 主な内容は以下のとおり。

・対象患者の平均年齢は34.87±12.43歳、女性の割合は65.77%であった。
・HAMD-17平均スコアは30.30±2.94、HAMA平均スコアは20.80±3.47であった。
・平均SBPは119.48±10.91mmHg、平均DBPは75.95±6.74mmHgであった。
・両変数を同時に含めた完全調整モデルでは、HAMD-17スコアはSBP(β=0.80、95%信頼区間[CI]:0.63~0.98、p<0.001)およびDBP(β=0.36、95%CI:0.24~0.49、p<0.001)との有意な相関を示した。
・HAMAスコアはSBPとの有意な関連は認められなかったが(β=0.13、95%CI:-0.02~0.28、p=0.079)、DBPとの有意な関連は認められた(β=0.15、95%CI:0.04~0.26、p=0.006)。

 著者らは「初回発症・未治療のうつ病患者において、うつ症状はSBPおよびDBPと独立して相関していたが、不安症状はDBPとのみ有意な関連を示した。これらの研究結果は、うつ病患者において、抑うつ症状および不安症状は心血管系パラメーターとそれぞれ異なる関連性を有する可能性を示唆している」としている。

(鷹野 敦夫)