ヴィアトリス製薬の野本 佳介氏らは、臨床試験に参加した日本人の全般性不安症(GAD)患者を対象に、本研究を実施した。疾患認識レベル、過去の医療を求める行動および診断歴、症状と日常生活への影響、診断および臨床評価に対する認識、そして試験参加後の変化を調査した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年2月24日号の報告。
本研究は、ウェブベースの質問票を用いた量的(記述的)研究として、2025年4月23日〜5月25日に実施した。対象患者は、DSM-5に基づきGADと診断され、セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬ベンラファキシンのB2411367臨床試験に登録歴のある患者。症状と疾患負担に関する患者の直接的な経験は、自由記述式回答によって収集した。
主な結果は以下のとおり。
・98例の回答者のデータを分析した。
・試験登録時に最も多く報告されたGADの症状は、過度の不安または心配(99.0%)、易疲労性(86.7%)、睡眠障害(82.7%)であった。
・回答者の半数以上(53.1%)が、日常生活で最も影響を受けているのは仕事または勉強であると回答し、集中力の低下、効率の低下、身体的負担を訴えた。
・疾患認知度に関しては、回答者の72.4%がGADについて聞いたことがなく、71.4%が不安の原因を性格に起因するものであると回答した。
・試験参加前に医療機関を受診していた患者は、11.2%であった。その際、最も多かった診断はうつ病(36.4%)であり、GADと診断された患者は9.1%のみであった。
著者らは「多くのGAD患者は、試験参加前に病名を知らず、日常生活に影響を与える症状を抱えていた。患者の直接の体験談は、彼らの負担についてより深い洞察をもたらした。この調査結果は、臨床試験に参加した日本人GAD患者のアンメットニーズ、そして一般の疾患認知度の低さや臨床現場での認知度の低さを浮き彫りにしている。GADの認知度向上に向けた取り組みは、早期診断の促進と適切な治療へのアクセス拡大に役立つ可能性がある」としている。
(鷹野 敦夫)