開発中の季節性インフルエンザワクチンmRNA-1010(Moderna製)は、標準用量投与の承認済みワクチンよりも、50歳以上の成人におけるRT-PCR検査で確認されたインフルエンザ様疾患の予防において優れることが示された。報告された有害事象の頻度は、mRNA-1010群で高かった。ベルギー・ゲント大学のIsabel Leroux-Roels氏らFluent Trial Investigatorsが、第III相二重盲検実薬対照試験「Fluent試験」の結果を報告した。mRNA-1010は、世界保健機関(WHO)が2024-25年株として推奨する3つのインフルエンザ株(A/H1N1、A/H3N2、B/Victoria)由来のヘマグルチニン糖タンパク質をコードしている。NEJM誌2026年5月7日号掲載の報告。
2024-25インフルエンザシーズンに、承認済み標準用量ワクチンと無作為化比較試験
試験は北半球の11ヵ国301施設で行われ、2024年9月16日に無作為化が開始された。研究グループは50歳以上の成人を、3価mRNA-1010投与群(37.5μg、各株12.5μgを含む)または承認済み標準用量ワクチン投与の対照群に無作為に割り付けた。
有効性の主要エンドポイントは、ワクチン接種後14日目から2024-25インフルエンザシーズン終了(2025年4月30日)までの期間における、RT-PCR検査で確認されたインフルエンザ様疾患(インフルエンザA型またはB型によるものとプロトコールで定義)に対するワクチンの相対的有効性であった。
階層的仮説検定で、非劣性(95%信頼区間[CI]下限が-10%超)、優越性(95%CI下限が0%超)および高レベルの優越性(95%CI下限が9.1%超)が評価された。
相対的有効性26.6%で非劣性、優越性を確認、副反応報告例は増加
計4万703例がワクチンを接種された(mRNA-1010群2万350例、対照群2万353例)。追跡期間中央値は181日(範囲:1~227)であった。
RT-PCR検査で確認されたプロトコール定義のインフルエンザ様疾患は、mRNA-1010群で411/2万179例(2.0%)、対照群で557/2万124例(2.8%)に認められた。ワクチンの相対的有効性は26.6%(95%CI:16.7~35.4)であり、非劣性、優越性および高レベルの優越性の基準を満たした。
報告された副反応は、mRNA-1010群で対照群よりも多かった(注射部位疼痛65.8%vs.29.8%、疲労45.1%vs.20.3%、頭痛37.8%vs.18.0%、筋肉痛35.4%vs.11.6%)が、ほとんどの副反応は軽度~中等度であり、一過性であった。
報告された重篤な有害事象は、mRNA-1010群で2.2%(治験責任医師によりワクチンに関連するものと評価された事象3件)、対照群で1.9%(同事象2件)であった。
(ケアネット)