サノフィは2026年3月23日、水疱性類天疱瘡に対するデュピルマブ(商品名:デュピクセント)の製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。水疱性類天疱瘡は、自己免疫性の表皮下水疱を生じるまれな疾患で、本邦では指定難病とされている。全身に強い痒みや水疱、紅斑、びらん、痛みを伴い、再発を繰り返すため、日常生活に深刻な影響を及ぼす。主に高齢者に発症し、標準治療にはステロイド薬や免疫抑制薬が使用されるが、長期使用による合併症や副作用への影響が指摘されている。
今回の承認は、中等症~重症の成人水疱性類天疱瘡患者106例を対象とした第II/III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験(ADEPT試験)の結果に基づいている。被験者はプラセボ群とデュピルマブ群に1:1で割り付けられ、治療開始時より経口ステロイド薬(OCS)を基礎治療として投与された。治療期間中は、すべての被験者について治験実施計画書で定義したOCS減量レジメンに従い、デュピクセント投与開始後6~16週にかけて疾患活動性が2週間コントロールされていればOCSの漸減を進めた。
主要評価項目である36週時に寛解持続を達成した患者の割合は、デュピルマブ群は18.2%、プラセボ群は4.0%であった(p=0.0250)。寛解持続の達成は、16週までに完全寛解かつOCS漸減を完了し、36週までの投与期間中に再燃が生じることなく、レスキュー療法を必要としないことと定義された。安全性データは、これまでデュピルマブで確立されている安全性プロファイルと同様であった。なお、水疱性類天疱瘡の適応症について、2025年3月にデュピルマブは希少疾病用医薬品に指定されている。
<製品概要> ※下線は変更箇所
商品名:デュピクセント皮下注300mgペン/同300mgシリンジ、デュピクセント皮下注200mgペン/同200mgシリンジ
一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果:
<300mgペン、300mgシリンジ>
既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
・アトピー性皮膚炎注)
・結節性痒疹
・特発性の慢性蕁麻疹
・中等症から重症の水疱性類天疱瘡
・気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)注)
・慢性閉塞性肺疾患(既存治療で効果不十分な患者に限る)注)
・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)注)
<200mgペン、200mgシリンジ>
既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
・アトピー性皮膚炎注)
・特発性の慢性蕁麻疹
・気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)注)
注)適使用推進ガイドライン対象
用法及び用量(抜粋):
〈水疱性類天疱瘡〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
(ケアネット 遊佐 なつみ)