抗カルシトニン遺伝子関連ペプチドモノクローナル抗体(CGRP mAbs)は、臨床試験および実臨床において片頭痛に対する有効性が確認されている。しかし、東アジアにおいては、頭痛頻度以外のデータは、依然として限られていた。慶應義塾大学の今井 俊吾氏らは、日本の実臨床における抗CGRP mAbsの長期的な有効性、忍容性、患者満足度を調査した。Journal of the Neurological Sciences誌2026年2月15日号の報告。
本単施設観察研究には、2021年8月〜2023年2月に、3種類の抗CGRP mAbs(エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ)のいずれかを投与された片頭痛患者を登録した。ベースラインの人口統計学的特性および頭痛特性を収集し、治療成績、有害事象、片頭痛関連症状、患者満足度を経時的に評価した。
主な結果は以下のとおり。
・登録された患者は、発作性片頭痛患者81例または慢性片頭痛患者69例を含む合計150例。そのうち40例に片頭痛の前兆が認められた。
・1ヵ月当たりの片頭痛日数が50%以上減少した患者は、6ヵ月後で67例中36例(54%)、12ヵ月後で42例中22例(52%)であった。
・多変量ロジスティック回帰分析では、治療反応群と非治療反応群における人口統計学的特性および頭痛特性の差の中で、3ヵ月後の治療反応率は6ヵ月後の治療反応率と関連していることが示唆された。
・片頭痛関連症状および前兆は、抗CGRP mAbs投与開始後5ヵ月まで改善傾向を示した。
・安全性については、注射部位反応は、1、6、12ヵ月時点でそれぞれ146例中35例(24%)、57例中14例(25%)、37例中4例(11%)に認められた。
・患者満足度について「非常に満足」または「やや満足」と回答した患者は、1、6、12ヵ月時点でそれぞれ74%、92%、94%であった。
著者らは「片頭痛に対する抗CGRP mAbsの長期的な治療反応を予測するうえで、早期治療反応が果たす役割が明らかとなった。また、片頭痛の病態生理をより深く理解するためには、片頭痛の頻度に加えて、患者満足度と片頭痛前兆の頻度を記録することの重要性も強調した」としている。
(鷹野 敦夫)