抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体による治療は、片頭痛の予防に有意な効果をもたらしたが、抗CGRP抗体治療中止による長期的な影響は依然としてよくわかっていない。ブラジル・Clinical Hospital of the Federal University of ParanaのLuana Miyahira Makita氏らは、抗CGRP抗体治療中止後の臨床アウトカムに及ぼす影響を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。CNS Drugs誌オンライン版2025年9月30日号の報告。
2024年9月までに報告された研究をPubMed、Embase、Cochraneデータベースより検索した。対象研究は、抗CGRPモノクローナル抗体またはゲバントによる予防的治療を受けた反復性または慢性片頭痛患者における治療中止後の影響を報告したランダム化研究または観察研究とした。主要アウトカムは、ベースラインから中止後までの1ヵ月当たりの片頭痛日数の平均変化とした。副次的アウトカムは、急性頭痛薬の使用、積極的治療から治療中止までの片頭痛頻度の平均変化、50%以上の治療反応率とした。異質性は、二値アウトカムについては予測区間(PI)、連続データについてはI2を用いて評価した。ランダム効果モデルを用いて平均差(MD)とリスク比(RR)をプールし、フォローアップ期間、研究デザイン、慢性片頭痛患者に基づくサブグループ解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・8研究(1,012例)をメタ解析に含めた。
・ゲバントの治療中止後の影響を評価した研究は、見当たらなかった。
・1ヵ月当たりの片頭痛日数は、投与中止後、ベースラインと比較して有意に減少した(MD:-3.78、95%信頼区間[CI]:-4.89〜-2.67、I2=57%、p<0.05)。
・減少日数は、1ヵ月時点で5.70日、3ヵ月時点で3.62日であった。
・慢性片頭痛患者では、投与中止後と投与前期間において、1ヵ月当たりの片頭痛日数が持続的に減少した(MD:-6.54、95%CI:-8.64〜-4.43、I2=68%、p<0.05)。
・1ヵ月当たりの急性頭痛薬服用日数は、ベースラインと比較して減少した(MD:-1.74、95%CI:-2.84〜-0.64、I2=0%、p<0.05)。
・治療中止3ヵ月後の1ヵ月当たりの片頭痛日数は、中止直前と比較して増加した(MD:4.43、95%CI:2.61〜6.25、I2=86%、p<0.05)。また、1ヵ月当たりの急性頭痛薬の使用日数は3.22日増加した。
・50%以上の治療反応率は低下した(RR:0.42、95%CI:0.33〜0.53、PI:0.17〜1.03、p<0.05)。
著者らは「抗CGRP抗体の治療中止後、片頭痛の負担は悪化したが、治療前のレベルよりは低いままであった。抗CGRP抗体の疾患修飾作用と最適な治療中止戦略を明らかにするためにも、さらなる研究が求められる」としている。
(鷹野 敦夫)