無症候性の重症大動脈弁狭窄症、早期手術vs.保存的治療の10年転帰/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/03

 

 無症候性の重症大動脈弁狭窄症患者において、早期手術は保存的治療と比較して、10年時点の手術死亡または心血管死の複合エンドポイントの発生リスクが有意に低いことが、韓国・蔚山大学校のDuk-Hyun Kang氏らによる多施設共同無作為化非盲検試験「RECOVERY試験」の最終解析の結果で示された。本試験では、最後の患者登録から4年後までの追跡調査における解析で、同複合エンドポイントの発生は保存的治療より早期手術で有意に低いことが示されていたが、長期アウトカムの有益性は依然として不明であった。NEJM誌2026年3月26日号掲載の報告。

手術死亡と心血管死の複合エンドポイントを比較

 研究グループは、2010年7月~2015年4月に、無症候性の超重症大動脈弁狭窄症(大動脈弁口面積≦0.75cm2で、大動脈弁血流速度≧4.5m/秒または平均圧較差≧50mmHgのいずれか)の患者145例を、早期手術群(73例)または保存的治療群(72例)に無作為に割り付けた。

 早期手術群は、無作為化後2ヵ月以内に大動脈弁置換術を行い、保存的治療群では追跡期間中に症状が現れた場合、左室駆出率<50%に低下した場合または大動脈弁最大血流速度が年0.5m/秒超増加した場合に大動脈弁置換術を行うこととされた。

 主要エンドポイントは、術中または術後30日以内の死亡(手術死亡)または追跡期間全体(最後の患者登録から10年後まで)の心血管死の複合とした。事前に規定した副次エンドポイントは全死因死亡、臨床的血栓塞栓症、大動脈弁再手術、および心不全による入院であった。

早期手術群のイベント発生HRは、10年経過後でも0.10

 早期手術群では、73例全例で大動脈弁置換術が成功し、保存的治療へクロスオーバーした4例を除く全例が無作為化後2ヵ月以内の手術であった。早期手術群で手術死亡は認められなかった。保存的治療群では、72例中61例(85%)が主に症状発現のため追跡期間中に大動脈弁置換術を受けた。

 全体の追跡期間中央値144ヵ月(四分位範囲:124~160)において、ITT解析の結果、主要評価項目のイベントは早期手術群で2例(3%)、保存的治療群で17例(24%)に心血管死が発生し、ハザード比(HR)は0.10(95%信頼区間[CI]:0.02~0.43、p=0.002)であった。

 Kaplan-Meier法を用いて算出した手術死亡または心血管死の累積発生率は、早期手術群では5年時および10年時ともに1%であったのに対し、保存的治療群ではそれぞれ7%および19%であった。

 全死因死亡は、早期手術群で11例(15%)、保存的治療群で23例(32%)に認められた(HR:0.42、95%CI:0.21~0.86)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)