糖尿病または肥満を有する乾癬患者において、GLP-1受容体作動薬による治療は、ほかの抗糖尿病薬または抗肥満薬による治療と比較し、心血管系および精神疾患系の合併症リスク、ならびに全死因死亡リスクを低減し、そのリスク低減効果は乾癬のないコホートと比較して高いことが明らかになった。ドイツ・リューベック大学のHenning Olbrich氏らは、米国のリアルワールドデータを用いた大規模コホート研究結果を、British Journal of Dermatology誌2026年1月号に報告した。
本研究は後ろ向きの人口ベースコホート研究であり、米国・TriNetXのリアルワールドデータを使用し、2年間の追跡期間中にGLP-1受容体作動薬による糖尿病または肥満治療を受けた乾癬患者を、ほかの全身性抗糖尿病薬または抗肥満薬により治療した患者と比較した。関連するリスク因子について1:1の傾向スコアマッチングを行った後、各コホートに3,048例の参加者が組み入れられた。主要評価項目には、心血管代謝系・精神疾患系・自己免疫系の合併症リスクのほか、全死因死亡、薬剤による潜在的有害事象が含まれた。非乾癬患者のコホートを使用して解析を繰り返し、(1)異なる(より最近の)追跡期間、(2)膿疱性乾癬患者を除外した2つの感度分析を通じて結果を検証した。
主な結果は以下のとおり。
・GLP-1受容体作動薬で治療した乾癬患者(女性:60.4%、平均年齢:56.94[SD 12.02]歳)と、ほかの抗糖尿病薬および抗肥満薬で治療した乾癬患者(女性:61.9%、平均年齢56.42[14.16]歳)のマッチドコホートにおける比較の結果、GLP-1受容体作動薬による治療は全死因死亡リスク(ハザード比[HR]:0.219、95%信頼区間[CI]:0.123~0.391、p<0.001)および主要心血管イベントリスク(HR:0.561、95%CI:0.442~0.714、p<0.001)の有意な低下と関連していた。
・さらに、アルコール(HR:0.346、95%CI:0.174~0.685、p=0.009)および薬物乱用(HR:0.510、95%CI:0.350~0.743、p=0.002)リスク低下との関連が認められた。
・GLP-1受容体作動薬コホートにおける典型的な薬物有害事象の頻度は高くなかった。
・乾癬患者のコホートでは、乾癬のない肥満や糖尿病患者のコホートと比較しリスクの減少がより顕著であった。
著者らは今回の結果を受けて、「医師は、乾癬患者が肥満または糖尿病を併発している場合、GLP-1受容体作動薬の使用を検討すべき」としている。
(ケアネット 遊佐 なつみ)