抗うつ薬中止後の離脱症状発生率とうつ病再発への影響

提供元:ケアネット

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公開日:2025/08/01

 

 抗うつ薬中止後にみられる離脱症状の発生率やその性質は依然としてよくわかっていない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMichail Kalfas氏らは、抗うつ薬の服用を中止した患者において、標準化された尺度(Discontinuation-Emergent Signs and Symptoms[DESS]など)を用いた離脱症状の有無およびそれぞれの離脱症状の発生率を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2025年7月9日号の報告。

 2023年11月7日までに公表された研究をEmbase、PsycINFO、Ovid MEDLINE、Cochrane Libraryの各データベースよりシステマティックに検索した。対象研究は、抗うつ薬中止後に、標準化された尺度を用いて離脱症状を報告したランダム化臨床試験(RCT)、それぞれの離脱症状(有害事象など)を報告したRCTとした。抽出したデータは、2人のレビューアーによるクロスチェックを行った。11件のRCTより未発表のデータも追加で対象に含めた。抗うつ薬中止患者、抗うつ薬継続患者、プラセボ中止患者との標準化平均差(SMD)を算出するために、ランダム効果メタ解析を実施した。プラセボと比較したそれぞれの離脱症状の発生率を評価するため、割合およびオッズ比(OR)のメタ解析を行った。異なる抗うつ薬の比較は、サブグループ解析として実施した。データ解析は、2024年9〜12月に行った。主要アウトカムは、標準化された尺度または標準化されていない尺度を用いて測定した抗うつ薬中止に伴う離脱症状の発生率とその性質とした。

 主な結果は以下のとおり。

・50研究(1万7,828例、女性の割合:66.9%、平均年齢:44歳)のうち、49研究をメタ解析に含めた。
・フォローアップ期間は、1日〜52週間。
・DESSのメタ解析では、抗うつ薬中止患者は、プラセボまたは抗うつ薬継続患者と比較し、1週間後の離脱症状の増加が認められた(SMD:0.31、95%信頼区間[CI]:0.23〜0.39、11研究、3,915例)。
・エフェクトサイズは、DESSにおける1症状増加に相当した。
・抗うつ薬中止は、プラセボ中止と比較し、浮動性めまい(OR:5.52、95%CI:3.81〜8.01)、悪心(OR:3.16、95%CI:2.01〜4.96)、回転性めまい(OR:6.40、95%CI:1.20〜34.19)、神経過敏(OR:3.15、95%CI:1.29〜7.64)のオッズ増加と関連していた。
・最も多く認められた離脱症状は、浮動性めまいであった(リスク差:6.24%)。
・離脱症状の測定は、うつ病患者(5研究)で測定されたにもかかわらず、抑うつ症状との関連は認められなかった。

 著者らは「抗うつ薬中止後1週間目における離脱症状の平均数は、臨床的に意義のある離脱症候群の閾値を下回っていることが示唆された。気分症状の悪化は、抗うつ薬中止と関連していなかったことから、中止後の抑うつ症状の再燃は、うつ病の再発を示唆する可能性がある」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)