HER2陽性転移乳がん、術後放射線療法でOS改善~SEERデータ

提供元:ケアネット

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公開日:2025/03/26

 

 HER2陽性転移乳がん(MBC)において、抗HER2療法の下での術後放射線療法(PORT)の役割をリアルワールドデータで検討したところ、PORTが全生存期間(OS)をさらに改善していたことがわかった。また、サブグループ解析では、局所進行(T3~4、N2~3)、Grade3、ホルモン受容体(HR)陽性、骨・内臓転移あり、乳房切除を受けた患者において、有意にベネフィットがあることが示唆された。中国・The First Affiliated Hospital of Bengbu Medical UniversityのLing-Xiao Xie氏らがBreast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2025年3月14日号で報告した。

 本研究は、2016~20年のSEERデータベースからHER2陽性MBC女性の臨床データについて包含基準および除外基準に従って収集した。PORTが患者の生存に与える影響を評価し、サブグループ解析によりPORTからベネフィットが得られる可能性のある集団を特定した。

 主な結果は以下のとおり。

・SEERデータベースから計541例を解析に組み入れた。
・PORT群の3年OS率は86.7%と、非PORT群の80.2%より有意に高かった(p=0.011)。
・多変量解析では、黒人患者とPORTを受けた患者はOSが長く(p<0.05)、人種とPORTが独立した予後因子であることがわかった。
・サブグループ解析では、乳房切除、局所進行、高悪性度、HR陽性、多臓器転移ありの患者において、PORTがOSをさらに改善することが示唆された(p<0.05)。

(ケアネット 金沢 浩子)