CAR-T naive再発・難治性B細胞リンパ腫におけるエプコリタマブの有効性(EPCORE NHL-1)/日本臨床腫瘍学会

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/03/21

 

 抗CD3xCD20二重特異性抗体エプコリタマブは第II相EPCORE NHL-1試験で、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)患者に対する深く持続的な効果と管理可能な安全性を示している。同試験では、すでにCAR-T治療歴がある患者における有効性が示されている(全奏効割合[ORR]54%、完全奏効[CR]割合34%)。第22回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2025)では、CAR-T未使用(CAR-T naive)集団のサブ分析をミシガン大学のYasmin H. Karini氏が報告した。

対象:2ライン以上の前治療歴を有するCD20陽性R/R LBCL 
介入:エプコリタマブ48mg(28日サイクル)1~3サイクル毎週、4〜9サイクル 2週ごと、 10サイクル以降4週ごと進行(PD)まで投与
評価項目:
[主要評価項目]Lugano分類によるORR
[副次評価項目]CR割合、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、最小残存疾患(MRD)陰性割合、安全性/忍容性

 主な結果は以下のとおり。

・CAR-T naive患者(n=96)の年齢中央値は69歳、3ライン以上の治療歴が52%を占めた。
・追跡中央値37.3ヵ月での治療継続は96例中13例(14%)、治療中止は83例(86%)であった。治療中止理由は進行が54%、有害事象が23%を占めた。
・ORRは61%、CR割合は45%であった。
・全体のPFS中央値は4.3ヵ月、CR症例では33.3ヵ月であった。
・全体のOS中央値は15.4ヵ月、CR症例は未到達であった。
・MRD評価可能な患者74例中33例(45%)がMRD陰性であった。
・治療中に発現した有害事象(TEAE)で頻度の高いものは、サイトカイン放出症候群(CRS)(60%)、下痢(24%)、発熱(23%)、疲労感(22%)、好中球減少(22%)、注射部位反応(21%)で、治療中止に至ったTEAEは23%であった。
・CRSは56%がGrade1〜2であった。CRS発現日の中央値は20日、第1サイクルのDay15までに多くが発現していた。

 エプコリタマブは、CAR-T naiveのR/R LBCL患者に対し深く、耐久性のある抗腫瘍効果と管理可能な安全性を示した。今回のサブ解析の結果を踏まえ、エプコリタマブはCAR-Tの前および後に安全かつ効果的に投与できると Karini氏は述べた。

(ケアネット 細田 雅之)