日本初、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」発売/第一三共

第一三共は、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのフルミスト点鼻液を発売したと2024年10月4日付のリリースで発表した。本剤は2023年3月に製造販売承認を取得し、2024年8月に3価(A型2種、B型1種)ワクチンとして製造販売承認事項一部変更承認を取得した。日本で初の経鼻投与による季節性インフルエンザワクチンとして、今シーズンより供給開始の予定。
本剤により、自然感染後に誘導される免疫と類似した局所抗体応答および全身における液性免疫、細胞性免疫の誘導が期待されている。また、鼻腔内に噴霧するタイプのワクチンのため、針穿刺の必要がなく、注射部位反応もないことから、被接種者の心理的・身体的負担の軽減も期待される。
本剤に関して、医療機関へ向けて、9月2日に日本小児科学会が「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」1)を発表している。2〜19歳未満に対しては、不活化インフルエンザHAワクチンと経鼻弱毒生インフルエンザワクチンを同等に推奨しているが、喘息患者には不活化インフルエンザHAワクチンの使用を推奨している。また、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合にも不活化インフルエンザHAワクチンが推奨されている。
生後6ヵ月〜2歳未満、19歳以上、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチンアレルギーを有する患者、中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者に対しては、本剤の使用は認められていないため、不活化インフルエンザHAワクチンのみ推奨されている。
<概要>
商品名:フルミスト点鼻液
一般名:経鼻弱毒生インフルエンザワクチン
製造株:
・A型株
A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)
A/タイ/8/2022(H3N2)
・B型株
B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)
効能または効果:インフルエンザの予防
用法および用量:2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する。
製造販売承認日:2023年3月27日
製造販売元:第一三共株式会社
(ケアネット 古賀 公子)
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