統合失調症患者における入院中の抗精神病薬切り替えと再入院リスク

米国・コロンビア大学のYihe Nina Gao氏らは、統合失調症入院患者における抗精神病薬の切り替えパターンを調査し、抗精神病薬の切り替えと再入院リスクとの関連を評価した。Schizophrenia Research誌2024年5月号の報告。
対象は、2017~18年にニューヨーク州メディケイド請求より抽出した入院前後の44日間(1ヵ月+猶予期間14日間)で抗精神病薬を処方された統合失調症または統合失調感情障害の入院患者3,295例。初回入院前後に抗精神病薬の継続または変更を行った患者を特定した。患者の特徴に合わせ調整した後、抗精神病薬継続群と切り替え群との比較を行った。
主な結果は以下のとおり。
・入院前後44日間に抗精神病薬が処方された患者のうち、1種類以上の抗精神病薬切り替えが行われた患者は1,599例(48.6%)、主要な抗精神病薬の切り替えが行われた患者は1,215例(36.8%)であった。
・抗精神病薬切り替えは、再入院リスクの増加と関連しており(ハザード比:1.21、95%信頼区間:1.09~1.35)、退院後最初の90日間にわずかな集中が認められた。
著者らは「入院中の抗精神病薬の切り替えは、一般的に行われており、退院後の再入院リスクに影響を及ぼす可能性が示唆された」としている。
(鷹野 敦夫)
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