カペシタビンによる手足症候群は外用ジクロフェナクで予防?/JCO

カペシタビンは、乳がんや消化管がんの治療に用いられるが、頻度の高い副作用の1つに手足症候群があり、減量が必要となることがある。ソラフェニブによる手足症候群の予防には尿素クリームが有用とされているが、カペシタビンによる手足症候群の予防への有用性は明らかになっていない。また、セレコキシブは手足症候群の予防効果があるが長期連用には副作用の懸念が存在する。そこで、全インド医科大学のAkhil Santhosh氏らが、外用ジクロフェナクの手足症候群予防効果を検証する第III相無作為化比較試験を実施した。その結果、外用ジクロフェナクはプラセボと比較して、カペシタビンによる手足症候群を有意に抑制することが示された。本研究結果は、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年2月27日号で報告された。
本研究は、カペシタビンを用いた治療を受ける乳がんまたは消化管がん患者264例を対象とした。対象患者をジクロフェナク群(1%ジクロフェナクNaゲル1gを1日2回、131例)、プラセボ群(133例)に1対1の割合で無作為に割り付け、12週間または手足症候群の発現まで塗布した。主要評価項目はGrade2/3の手足症候群の発現率、副次評価項目は全Gradeの手足症候群の発現率、手足症候群によりカペシタビンの減量に至った患者の割合などであった。
主な結果は以下のとおり。
・Grade2/3の手足症候群はプラセボ群で15.0%に発現したのに対し、ジクロフェナク群では3.8%と有意に低率であった(絶対リスク差:11.2%、95%信頼区間[CI]:4.3~18.1、p=0.003)。
・全Gradeの手足症候群はプラセボ群で18.1%に発現したのに対し、ジクロフェナク群では6.1%と有意に低率であった(絶対リスク差:11.9%、95%CI:4.1~19.6、p=0.002)。
・手足症候群によりカペシタビンの減量に至った患者の割合はプラセボ群13.5%に対し、ジクロフェナク群では3.8%と低率であった(絶対リスク差:9.7%、95%CI:3.0~16.4、p=0.005)。
(ケアネット 佐藤 亮)
関連記事

手足症候群の患者に薬剤師ができること【ママに聞いてみよう(1)】
薬剤師スキルアップ動画集(2022/02/01)

転移乳がんへのカペシタビン、固定用量vs.標準用量(X-7/7)/ASCO2023
医療一般(2023/06/22)
[ 最新ニュース ]

慢性C型肝炎、ソホスブビル/ダクラタスビルvs.ソホスブビル/ベルパタスビル/Lancet(2025/05/16)

obicetrapib/エゼチミブ配合剤、LDL-コレステロール低下に有効/Lancet(2025/05/16)

死亡リスクの高いPAH患者に対するアクチビンシグナル伝達阻害剤sotatercept上乗せの有効性が証明された(解説:原田和昌氏)(2025/05/16)

アトピー性皮膚炎への新規外用薬、既存薬と比較~メタ解析(2025/05/16)

CT検査による将来のがんリスク、飲酒や過体重と同程度?(2025/05/16)

アリピプラゾール持続性注射剤の治療継続に影響する要因(2025/05/16)

“スマートシャツ”で心臓病を予測(2025/05/16)

子宮頸がんワクチンの接種率は近隣の社会経済状況や地理に関連か(2025/05/16)
[ あわせて読みたい ]
Dr.大塚の人生相談(2024/02/26)
災害対策まとめページ(2024/02/05)
IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01)
旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29)
エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11)
医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01)
アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)
アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)
診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)
今考える肺がん治療(2022/08/24)