非小細胞肺がん免疫併用療法の多施設共同臨床試験に係る現状と重要な注意事項について/国立がん研究センター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2023/05/02 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)は、全国59施設で実施していた、未治療の進行・再発非小細胞肺がんに対する、化学療法+ペムブロリズマブ療法と化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法の有効性比較第III相試験(JCOG2007試験、特定臨床研究)において、化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法患者で、予期範囲を超える約7.4%(148例中11例)の治療関連死亡が認められたため、試験継続困難と判断して2023年3月30日に同試験を中止した、と発表した。 同試験は2021年4月~2022年4月に261例の患者を登録したが、化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法において、9例(6.9%)に治療関連死亡(肺臓炎3例、サイトカイン放出症候群2例、敗血症1例、心筋炎2例、血球貪食症候群1例)が起きたため登録を一時停止。その後、治療関連死亡患者に多く見られる特徴を見いだし、登録規準を変更したうえで2022年10月3日に登録を再開したが、化学療法+ニボルマブ+イピリムマブ療法患者に新たな治療関連死亡が起きた。安全性を高めた変更後の登録の規準をもってしても防げなかった治療関連死亡と考え、2023年3月30日にこの試験の中止を決定した、としている。 現在、同試験以外でニボルマブ+イピリムマブ併用療法を受けている未治療進行・再発非小細胞肺がんの患者に対しては、治療の効果や副作用を勘案した慎重な判断が必要なため、自己判断で治療を中断せず、必ず主治医と相談するよう勧告している。 詳細は国立がん研究センタープレスリリースを参照 (ケアネット 細田 雅之) 参考文献・参考サイトはこちら 国立がん研究センタープレスリリース JCOG2007試験(jRCT) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 telisotuzumab vedotinが先駆的医薬品の対象に/アッヴィ 医療一般(2023/03/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] プライマリケアで利用可能な、新たな肝臓のリスク予測モデル/BMJ(2025/10/15) 小児喘息の発作治療、ブデソニド・ホルモテロールvs.SABA/Lancet(2025/10/15) 室温が1℃下がると血圧はどのくらい上がるか~しずおか研究(2025/10/15) 青年期のデジタル依存症が健康に及ぼす影響~メタ解析(2025/10/15) 2型糖尿病患者は敗血症リスクが2倍(2025/10/15) 地中海式ダイエットは歯周病も予防する?(2025/10/15) 米国で「悪夢の細菌」による感染症が急増(2025/10/15) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)