パキロビッドパック600/300が薬価収載/ファイザー

提供元:ケアネット

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公開日:2023/03/17

 

 ファイザー(日本)は3月15日付のプレスリリースにて、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス薬の「パキロビッドパック600」および「パキロビッドパック300」(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)が薬価基準に収載されたことを発表した。薬価はそれぞれ、パキロビッドパック600(1シート)が19,805.50円、パキロビッドパック300(1シート)が12,538.60円となる。両パッケージともに、2023年3月22日から一般流通が開始される予定。

 パキロビッドパックは、2022年1月14日に厚生労働省に製造販売承認を申請し、同年2月10日に、日本における製造販売に関し、医薬品医療機器等法第14条の3に基づく特例承認を取得している。本剤がパッケージ化されたパキロビッドパック600および同300は、2022年11月14日に製造販売承認を取得している。

 パキロビッドパック600は通常用のパッケージとなっている。通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対して、ニルマトレルビル1回300mgおよびリトナビル1回100mgを同時に1日に2回、5日間経口投与する。

 一方、パキロビッドパック300は中等度の腎機能障害患者用のパッケージとなっている。中等度の腎機能障害患者(eGFR[推算糸球体ろ過量]30mL/min以上60mL/min未満)には、ニルマトレルビル1回150mgおよびリトナビル1回100mgを同時に1日に2回、5日間経口投与する。

 本剤は、臨床試験において、症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていないため、SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始することとしている。また、本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服薬中のすべての薬剤の確認が必要となる。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に相談するよう患者に指導することとしている。

 日本も参加している国際共同第II/III相EPIC-HR試験では、外来治療の対象となる重症化リスクの高いCOVID-19患者において、本剤はプラセボと比較して、入院または死亡のリスクを89%(症状発現から3日以内)、および86%(症状発現から5日以内)減少させることが示された。また、有害事象の発現割合は本剤(23%)とプラセボ(24%)と同程度であり、おおむね軽度だった。

(ケアネット 古賀 公子)