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オミクロン株対応2価ワクチン、中和活性の比較/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/02/03

 

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株は変異を続け、さまざまな亜型を増やしている。そこで、SARS-CoV-2のオミクロン株BA.4/5(BA.4とBA.5は同一のスパイクタンパクを有する)と起源株の、それぞれのスパイクタンパク質をコードするmRNAを含有する2価ワクチンが開発され、世界各国で使用され始めている。しかし、オミクロン株の亜型の中には、ワクチンによって得られた免疫や、感染によって得られた免疫を回避し得るスパイクタンパク質の変異を蓄積しているものもある。そこで、米国・テキサス大学のJing Zou氏らは、BA.4/5対応2価ワクチンによるオミクロン株の各系統に対する中和活性を評価し、いずれの系統に対しても、従来型ワクチンと比べて高い中和活性が得られたことをNEJM誌オンライン版2023年1月25日号のCORRESPONDENCEで報告した。

 ファイザー製従来型ワクチン(BNT162b2)を3回接種した55歳以上の成人で、3回目接種から6.6ヵ月後に従来型ワクチン(30μg)を接種した38人(1価ワクチン群)、約11ヵ月後にBA.4/5対応2価ワクチン(起源株15μg+BA.4/5株15μg)を接種した40人(2価ワクチン群)について、4回目接種当日と1ヵ月後の中和活性を比較した。また、SARS-CoV-2の感染歴の有無別にも比較した。中和活性の比較は、オミクロン株の各系統(BA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、XBB.1)およびUSA-WA1/2020株のスパイクタンパク質について行われた。中和活性の評価には、フォーカス減少法による中和試験で50%のウイルスを中和する血清希釈の逆数(FRNT50)を用い、幾何平均抗体価を算出して接種1ヵ月後における接種日からの幾何平均抗体価増加倍率を比較した。

 結果は以下のとおり。

<感染歴なしの接種1ヵ月後の中和活性の変化(1価vs.2価)>
USA-WA1/2020:4.4倍vs.9.9倍(群間比2.3倍)
BA.4/5:3.0倍vs.26.4倍(群間比8.8倍)
BA.4.6:2.5倍vs.22.2倍(群間比8.9倍)
BA.2.75.2:2.0倍vs.8.4倍(群間比4.2倍)
BQ1.1:1.5倍vs.12.6倍(群間比8.4倍)
XBB.1:1.3倍vs.4.7倍(群間比3.6倍)

<感染歴ありの接種1ヵ月後の中和活性の変化(1価vs.2価)>
USA-WA1/2020:2.0倍vs.3.5倍(群間比1.8倍)
BA.4/5:2.8倍vs.6.7倍(群間比2.4倍)
BA.4.6:2.1倍vs.5.6倍(群間比2.7倍)
BA.2.75.2:2.1倍vs.5.3倍(群間比2.5倍)
BQ1.1:2.2倍vs.6.0倍(群間比2.7倍)
XBB.1:1.8倍vs.4.9倍(群間比2.7倍)

 本論文の著者らは、今回の結果について以下のようにまとめている。

・BA.4/5対応2価ワクチンは、SARS-CoV-2感染歴にかかわらず、4回目のブースター接種では、従来型ワクチンと比べて、BA.5の亜型(BA.4.6, BQ.1.1, XBB.1)およびBA.2の亜型(BA.2.75.2)に対して高い中和活性を誘発することが示された。
・4回目のブースター接種後、SARS-CoV-2感染歴ありの被験者は感染歴なしの被験者と比べて、中和活性が高かった。
・1価ワクチン群と2価ワクチン群の中和活性の差は、SARS-CoV-2感染歴なしの被験者のほうが感染歴ありの被験者と比べて大きかった。
・BA.4/5対応2価ワクチンは、従来型よりも免疫原性が高く、現在流行しているオミクロン株の各系統に対してより幅広い反応を示すことを示唆する。

(ケアネット 佐藤 亮)

原著論文はこちら

Zou J, et al. N Engl J Med. 2023 Jan 25. [Epub ahead of print]