オシメルチニブのNSCLCアジュバント、日本人でも有効(ADAURA)/日本肺癌学会

提供元:ケアネット

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公開日:2022/12/09

 

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブの術後補助療法は、日本人においても有効で、グローバルと同等の成績を示した。

 第63回日本肺癌学会学術集会で、神奈川県立がんセンターの加藤晃史氏が、オシメルチニブ術後補助療法の第III相試験ADAURAの日本人サブセットを発表している。

 この結果は、ESMO2022で示された第3回のカットオフの結果の中から日本人サブセット99例を解析したもの。ただし、日本人は層別化因子(アジア人は層別化因子)ではないため、患者背景に若干のばらつきがある。また、日本ではStageIBの術後補助療法の標準療法としてUFTが推奨されているため、StageIBのプラセボ比較は行われていない点がグローバルとは異なる。試験デザインは関連記事参照。

 主な結果は以下のとおり。

・StageII~IIIAの日本人サブセットの無病生存率(DFS)中央値は、オシメルチニブ群では未到達、プラセボ群では27.8ヵ月で、ハザード比(HR)は0.25(95%CI:0.14~0.44)であった。この結果はグローバルと同等の成績(グローバルのHRは0.23)である。
・日本人の3年DFS率はそれぞれ85%と37%、4年DFS率は75%と31%であった。
・DFSのサブグループはすべての項目で、オシメルチニブが良好であった。
・再発なしは、オシメルチニブ群72%に対し、プラセボ群は32%であった。局所のみの再発はそれぞれ9%と26%、遠隔のみの再発は20%と38%、局所と遠隔双方の再発は0%と4%で、いずれもオシメルチニブ群で少なかった。
・Grade3以上の治療関連有害事象は、オシメルチニブ群の15%、プラセボ群の6%に発現したが、死亡は両群とも認められていない。
・間質性肺疾患はオシメルチニブ群の13%(6例、4例のGrade1と2例のGrade2)に発現した。

 発表者の加藤氏は、これらの結果は、オシメルチニブの術後補助療法は日本人においても、効果的な治療であることを支持していると結んだ。

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(ケアネット 細田 雅之)